9月23・24日、日本基督教学会が「第53回学術大会」を兵庫県西宮市の関西学院大学・上ケ原キャンパスで開催。「平和の実現 ―21世紀神学の課題―」を主題に、会員ら100名以上が出席した。
23日の午後には公開講演会が行われ、スイス・ベリン大学のウルリッヒ・ルツ名誉教授が「キリスト論的一神教 ―初期キリスト教における平和の創出と潜在的攻撃性―」と題して講演を行った。一般にも公開された講演会には会員以外の参加も見られ、講演の後には質疑応答の時間も持たれた。
24日の午後には総会が開催され、一年間の活動報告や新入会員の移動報告と承認、会計報告などが行われた。総会の後、学術大会と同じテーマでシンポジウムが行われ、栗林輝夫関西学院大学教授、芦名定道氏京都大学大学院助教授、絹川久子日本フェミニスト神学・宣教センター共同ディレクターがパネリストとして発表を行った。それぞれ神学者の立場から、平和という問題や現在抱えている問題などについて発表した。
両日とも午前中には3会場にわかれ、会員による研究発表の時間が持たれ、35人の会員がそれぞれ30分間発表を行った。今年は戦後60年にあたり、またイラクへ派兵などの問題からも、「平和」に対する参加者の高い関心がみられた。
日本基督教学会は1952年に結成され、キリスト教関係の学会としては国内最大規模。5支部教に700人を超える会員が所属している。なお、来年度の学術大会は9月21日から22日まで、東京都の上智大学で開催されることも確認された。