朝鮮出身のクリスチャン詩人、尹東柱(ユン・ドンジュ)を偲ぶ献花式が10日、京都市上京区の同志社大で営まれ、約30人が参加した。
式の後には韓国語と日本語の聖書朗読があった。祈りの後、「序詩」や「愛しい追憶」などの詩が朗読され、参加者が花束をささげた。
尹東柱は、45年2月16日、旧福岡刑務所で同志社大学に在学中朝鮮語で詩や日記を書き溜めたために捕らえられ、獄死した。第2次世界大戦直後に日本に留学し、27歳の若さでこの世を去った。刑務所の中で、軍部が尹の信仰を奪い、名前を奪い、言葉を奪ったが、尹は屈しなかった。今年は尹生誕90年にあたる。
この日、同志社校友コリアクラブの金導烈副会長があいさつの中で「尹東柱は、日本人と朝鮮民族の平和を願って、祈りました。日韓朝の友好関係を開いていきましょう」と話した。
同クラブは95年、同大敷地内に詩碑を設置した。碑には「死ぬ日まで空を仰ぎ/一点の恥辱(はじ)なきことを」と刻まれている。