日本バプテスト連盟・平和宣言全国推進プロジェクト(野口哲哉委員長)は25日、沖縄の普天間飛行場移転に反対して警備中の警察官ともみ合いになり、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された、日本基督教団うぶさと伝道所の平良夏芽(たいら・なつめ)牧師(44)に対する逮捕は不当だとし、沖縄県警本部本部長と名護警察署署長あてに同師の釈放を求める抗議文を送った。
25日午前10時ごろ、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ第1ゲート前で、普天間飛行場移設に先立つ文化財調査を阻止しようとした市民団体と警備中の警察官がもみ合いになり、「沖縄平和市民連絡会」共同代表の平良夏芽牧師が公務執行妨害容疑で県警に現行犯逮捕された。
調べによると同師は、基地内に入ろうとした市教委の車両下に上半身を潜り込ませ、進行を妨害した疑い。現場には午前9時ごろから移転に反対する住民ら20人余りが集まっていた。市教委は今月14、15の両日にも調査実施を予定していたが、反対派の阻止行動で中止。25日には、機動隊を含むおよそ50人が現場の警備に当たっていた。
抗議文では、まず平良牧師は「過去の戦争を反省し、今日の戦争や軍備に‘否’を主張すると同時に平和を作り出す具体的活動を行ってきた」とし、同師の非暴力抵抗の立場を支持。その上で今回の逮捕を、「そうした平和を願う多くの市民の祈りと願いを国家権力によって踏み潰すものである」と強く批判した。
そして、「戦場の悲しみ、基地の重圧を最も知る者が、かつての苦難を繰り返さないために立ち上がる人々を弾圧することがあってはならない」と沖縄県警本部長および名護警察署長に平良牧師の即時解放を要求した。