2006年度版の「世界子供白書」で年間5000万人の子どもの出生届けが提出されていないことが明らかになった。「世界子供白書」を発表した国連児童基金(ユニセフ)は世界中で毎年生まれる子どもの約3割にあたる5000万人の子供たちが社会的に「見えない存在」となっていると指摘した。
出生届けが出されていない子供たちは教育や医療など基本的な社会福祉を受けることができない。「見えない」状態になりがちなその子供たちの大半が性的虐待や人身売買、児童労働やオカルト儀式のいけにえになることさえあるという。
白書によると奴隷として売られる子供は年間570万人。人身売買の対象となっている子供は年間120万人。このような現状に、日本政府は具体的な援助を行っていない。
ユニセフでは人身売買や性的搾取などの被害に遭ったり、子供兵士として戦場に行かされたなど、つらい体験をした子どもたちが立ち直っていくためには心の傷を癒すのと同時に自立して生きていくことのできる力を身につけることが必要だとしている。そのために職業訓練などを行っている。
チルドレン・レスキュー・ミッション、MEBIGの代表を務める内越言平牧師(愛隣チャペルキリスト教会)はアジア等の巡回した際、犠牲になった子どもたちを目の当たりにしたという。少女たちが暮らすあるセンターを訪問した内越牧師はセンターの職員から驚くべき事実を耳にした。「ここで暮らす少女たちは全て大人から性的暴行を受けた子たちなのです」
「大人が問題」と内越牧師は指摘する。「インターネットで悪い影響を受ける人々が多い。インターネットでキリスト教文化の暢達を目指すべき」とも語った。「MEBIGの理念は“子どもという子どもはいない。子どもという人間がいる”子どもたちを1人の人間として大切にしてほしい」と語った。
神にとって「見えない」存在など一人もいない。今後、大人の1人1人の意識改革のもと、全ての子どもたちの健全な育成が求められる。