宗教が厳しい状況に置かれているといわれる現代の日本社会にあって、宗教団体が行う信仰の育成に関する取り組みについて話し合おうと、財団法人国際宗教研究所が主催する公開シンポジウム「元気なのには理由がある!?—現場からみた信者育成の実践と課題—」が14日、東京・豊島区で開催された。神道、キリスト教、仏教系新宗教教団からそれぞれの指導者が講演し、各自の取り組みや現在感じている課題などを紹介した。参加者約80人が集まった。
キリスト教からは福田誠牧師(東京バイブルチャーチ)が、自身の教会の活動と今後の課題について語った。
東京バイブルチャーチは、特に「家庭の回復」という視点に立ち、現代社会で起こるさまざまな問題、ひきこもり、いじめ、不登校などの問題を抱える児童への働きかけ、子育てに悩む若い婦人のためのカウンセリングやセミナーを積極的に開催し、教会を地域の人々に開放してきた。
このような経緯から、2001年にクリスチャンスクールを設立。アメリカ・コロラドスプリングスに本部を置く、「Association of Christian School International」(ACSI)に加盟し、クリスチャン子弟を中心にプレスクールから高等部までの生徒を受け入れている。聖書の神の愛の価値観と創造論の見地に立った『心の教育」を行い、教会、家庭、スクールが一体となって次世代を教育している。
今後の課題として福田師は、まったくキリスト教に触れたことのない人々にも対応できるよう、より実際的で地道な活動を通して地域社会に貢献すること、またキリスト教界の高齢化に対応して、キリスト教精神に基づいた高齢者へのケア、介護に取り組むことを挙げた。