駐日米国大使館は18日、ブッシュ米大統領が訪日中に京都市内で行った大統領演説の草稿を公式サイトなどで発表した。
ブッシュ大統領による演説の草稿は以下、
ジョージ・ブッシュ大統領演説
2005年11月16日、京都会館(京都市)
ローラと私は、再び日本を訪問できたことを光栄に思います。そして、京都で受けた温かい歓迎に感謝いたします。京都はかつて1000年以上にわたり日本の首都であり、そして今もなお、この偉大な国の文化の中心です。京都は誇り高き都市であり、古くからの茶室や寺社がこの国の伝統を生き生きとしたものにしています。また、京都の大学出身の科学者がノーベル賞を受賞しています。京都は、日本が自由を尊び伝統を敬う国となったことの象徴でもあります。
私は、日本のこうした変化を、非常に個人的な形で体験してきました。第2次世界大戦中、私の父と、そして「コイズミ」という名前の日本政府関係者の2人は互いに敵味方に分かれていました。今日では、その2人の息子たちが2つの自由主義国家の選ばれた指導者となっています。小泉首相は国際社会における私の親友のひとりです。私はこれまでの大統領としての任期中、小泉首相と何度も会談をしました。私は小泉首相のことを良く知っており、彼の判断を信頼しており、彼の指導力に敬意を持っています。そして米国は、平和と自由のために彼を盟友として持つことを誇りにしています。
日米関係は、大統領と首相との個人的な友情よりもはるかに大きなものです。日米関係は共通の価値、共通の利害、そして自由への共通の関与に基づいた対等な協力関係でもあるのです。自由が日米という2つの民主主義国家を緊密な同盟国同士にしました。自由は、日本とこの地域における他の国々との深まりゆく関係の基礎でもあります。そして、自由は21世紀において、ニュージーランドから朝鮮半島にいたるまで、女性や子供を含むすべての人々の運命なのです。
自由は日米の友好関係の基礎でもあります。第2次世界大戦当初、太平洋のこちら側に民主主義国家は2つしかありませんでした。それはオーストラリアとニュージーランドでした。そして第2次世界大戦が終わると、日本では民主主義が機能するとは信じていない人もいました。幸いにも、トルーマン大統領などの米国の指導者たちは、こうした疑いを持つ人たちの声に耳を貸しませんでした。そして、日本国民は選挙と民主主義を強く支持し、そうした懐疑論者たちが間違っていることを証明してみせたのです。
皆さんは民主主義を支持し、皆さん自身の必要性や状況に合わせてそれを取り入れてきました。したがって、日本の民主主義は米国のそれとは異なっています。日本には大統領ではなく首相がいます。日本の憲法は君主制を容認しており、それは日本国民の誇りの源泉となっています。日本は、自由な社会が、真の民主主義の基礎となる普遍的な自由を保証しながら、独自の文化と歴史を反映することができるのかという好例を示しています。
皆さんは、こうした自由の普遍的理念の下で「新しい日本」を創造し、「アジアの姿」を変容させてきました。自由を目指すあらゆる段階で、日本経済は繁栄し、他国の手本となったのです。そして、民主主義は、政府が国民に対する責任をより良く果たす手助けができるということを、日本は示したのです。さらに日本は、この地域の平和と安定を築く勢力となり、国際社会の重要な一員となり、そして米国にとって信頼のおける同盟国となりました。
自由主義国家としての日本は国民生活を変容させてきました。アジアにおける自由の広がりは、半世紀以上前に日本から始まりました。そして今日、日本国民は世界で最も自由な国民の仲間入りをしています。日本には誇れる民主主義があります。日本は世界でも最高の生活水準を享受する国のひとつです。政治・経済両面での自由を支持し、日本はすべての国民の生活を向上させてきました。そして、自由が繁栄と安定への最も確実な道だということを他の国々に示してみせたのです。
自由主義国家としての日本は、この地域の他の国々の国民生活を変容させる手助けをしてきました。近隣諸国への日本の投資は多くのアジア諸国の経済発展に貢献してきました。日本の援助は重要な社会基盤の整備に貢献をし、地震や台風、あるいは津波といった災害の被災者への救援にも貢献しています。そして、日本が作り上げた米国との同盟関係は、この地域の安定と安全の柱となっており、アジアの未来に対する自信の源にもなっています。
自由主義国家としての日本は世界の変革にも貢献しています。日米両国は世界の他のどの2国よりも多くの海外援助を行っています。今日、日本の援助で、アフガニスタンでは高速道路が建設されています。アフガニスタンのカルザイ大統領は、日本の援助は新しく生まれ変わった民主主義国家としての同国の経済復興にとって、なくてはならないものだと述べています。イラクについては、日本は50億ドル近い復興援助を約束しています。そして、日本はイラクに自衛隊を派遣し、同国のムサンナ州で自由という大義のために活動しています。始まったばかりの21世紀に、日本はその自由を世界中の平和と繁栄という大義を前進させるために使っています。そして、日本の指導力は世界をより良い場所にしています。
日本はまた、次のことを示してきました。「人々は一度自由の味を知るとさらなる自由を求める。なぜなら、自由への欲求はこの地球に住むすべての人の心に刻まれているからだ」新しい世代が自由の下で育ち、それにしたがって市民の期待が高まり、説明責任に対する要求も強くなります。日本では、小泉首相がその指導力により、経済を開放し、日本の組織・機関を国民の要望により良く応えられるものにするための重要な改革を推進しています。首相は、国がその国民の見識と才能を信じたとき、富と繁栄が得られること知っています。こうした教訓がこの偉大な地域のあらゆる場所に広がっています。
自由は日米の友好関係の基礎であり、米国のアジアへの関与の基盤です。太平洋国家の一員として、米国は貿易、価値観、歴史によって、この地域の将来に関与しています。環太平洋における驚異的な経済成長は、発展への新たな可能性を切り開いてきました。そして、それはわれわれすべてに影響する課題を投げかけています。それらの課題の中には自由で公平な貿易の確保、新型インフルエンザの脅威からの保護、新興経済国の発展に必要なエネルギーの確保などが含まれます。自由がアジアや世界中に広がるにしたがい、自由の発展を嫌い、罪のない人々や子供を殺すことにより政府を脅迫するテロリストという敵の脅威にさらされています。私はこれらの共通の問題を小泉首相などと2国間レベルで話し合い、また、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議において話し合うためにアジアにやってきました。これらの問題はどれもとても重要です。これらの課題に取り組むことにより、すべての人々に自由で、より良い未来を築いていきます。
経済の繁栄により自由を広めるためには、自由で公正な貿易が最も良い方法です。世界貿易機関(WTO)のドーハラウンドは世界中のモノ、サービス、農産品の市場を開放する機会をわれわれに提供しています。全ての国が利益を享受し、開発途上国が最も利益を得ることができます。世界銀行は貿易障壁の撤廃により何億もの人々を貧困から救う手助けができると予測しています。ドーハラウンドを成功させるための最大の障害は、先進国が関税、障壁、そして、貿易を歪曲する助成金を撤廃することに消極的であることです。これらの障害は、世界の貧しい国々を今世紀の重要な機会から孤立させています。
米国政府は第1の段階として、農産物関税や貿易を歪曲する助成金を削減し、さらに15年間で全廃するという大胆な提案をドーハラウンドで行いました。高関税や農業補助金の悪影響を懸念する環太平洋国家の指導者は、農業、サービス、工業製品に関するドーハラウンドの協議を進めるために団結する必要があります。来月、香港で開かれるWTOの会議を前に、今年の韓国での首脳会議は、指導的役割を果たす機会をAPECに与えています。
APECは、アジア太平洋地域が経済成長、協力、貿易そして投資について取り組む重要なフォーラムです。21の加盟国・地域で世界貿易の半分近くを占めています。APECはドーハラウンドで大きな成果を得るために、その影響力を使って、より自由で公平な世界貿易制度の設立を促進できます。そして、それはアジア太平洋全域に繁栄を広げることもできます。
われわれは繁栄を促進するために協力する一方で、人々に健康と安全の保証もしなければなりません。経済が開放されると新しい機会が生まれます。しかし、この開放は、新しいリスクをも生み出します。海外旅行や国際取引の時代には、新しい病気が急速に広まる可能性があります。われわれは、3年前に 重症急性呼吸器症候群(SARS)が中国で発生したとき、国際協力と透明性の必要性を認識しました。SARSに感染した医者が、そのウイルスを保有したまま中国から出国しため、ウイルスはベトナム、シンガポールそしてカナダへと1カ月以内に広がりました。まもなく、SARSウイルスはほぼすべての大陸に広がり、多数の人々が亡くなりました。ある推計によると、アジア太平洋地域はSARSの発生により約400億ドルの損害を被りました。この経験からの教訓は明らかです。新しい深刻なウイルスの発生を阻止するために協力し合うことに共通の利害があります。そうすることで、太平洋の両岸の人々の命を救うことができます。
われわれは、アジアですでに被害がでている鳥インフルエンザが人間にも感染し、流行するかもしれないというより深刻な脅威にさらされています。各国の政府がすでに病気感染の予防策を取っているということを知り、うれしく思います。世界保健機関はこの脅威に対する世界規模の対策を調整しています。それを進めるためには、さらなる開放性、透明性、協力が求められます。首脳会談では、この地域の国々が新型インフルエンザ発生の脅威に対し準備し、対応する努力をいかに支援するかについて話し合いたいと思っています。世界の国々は、病気が広まる前に、発生を検知し、食い止める助けをしたいと思っています。発生に備え、わが国では、重要な対策が取られています。さらに、アジアの国々が新型インフルエンザの流行を防ぎ、国民を病気から守るよう、米国は支援します。
公衆衛生に関する課題のほかに、われわれは需要が増え続けている、競争の厳しい世界エネルギー市場での安定供給という課題にも取り組まなければなりません。機会を与え、貧困を削減するためには経済成長が最善の道だ、ということをアジア各国は知っています。経済が成長するにつれ、より多くのエネルギーが使われます。米国は、世界市場の需要を緩和し、汚染を減らし、気候変動化という長期的な挑戦課題に取り組みながら、これらの国が自国のエネルギー需要に応えられるよう、過去3年間に一連の構想を打ち出しました。その構想には、公害を抑えた石炭使用、エタノール、排ガスが出ない水素利用車、太陽エネルギーや風力エネルギー、そして鉱山、埋め立地、農場から排出される、燃焼してもクリーンなメタンが含まれます。
今年の夏、われわれは、「クリーンな発展に関するアジア・パシフィック・パトナーシップ」を立ち上げることにより、目的達成のために一歩前進しました。オーストラリア、中国、インド、日本、韓国とともに、われわれは、すべての国が最善の実践方法を学び、最新のエネルギー技術を使用できるよう実践的な方法を取ります。この地域の国々が実践方法や技術を採り入れれば、その国の工場や発電所がよりクリーンで効率的に作動するようになります。今回の訪問を、私はさらなる効果を上げる機会にしたいと思っています。協力し合うことにより、われわれはさらに経済成長と排ガス削減を促進し、より良い、よりクリーンな世界を作ることが出来ます。
協力してこれらの共通課題に取り組むために、われわれは信頼関係を強化し続けなければなりません。信頼関係を強化するための最善の方法は、各国内の自由を促進することです。自由な国は平和な国です。自由な国は隣国を脅したりしません。自由な国は、国民に希望に満ちた未来のビジョンを示します。この地域全体に自由を推進することで、われわれは、すべての人々の繁栄に貢献でき、自由によってのみ得られる平和や安定を実現できます。
アジアにおける自由の広まりは、人類の歴史における最高にすばらしい物語のひとつです。21世紀の始まりに、われわれはこの物語に続きを加えていきます。この地域の数多くの人々は、繁栄する民主主義国家の中で生活しています。また、自由の道を歩み始めたばかりの国もあります。指導者が自由への第1歩を踏み出すことさえ拒否している少数の国は、隣国との協調が難しく、世界の中で孤立しています。そんな孤独な場所でさえ、自由への望みがあり、いずれ自由が彼らにも届きます。
アジアではすでにいくつかの国が自由で開放的な社会を築いています。最も劇的な例は今回のAPEC首脳会議の主催国の韓国です。アジアの他の多くの国と同様、人々は政治改革に扉を閉ざした政府に長年率いられてきましたが、次第に韓国はグローバル化した経済に門戸を開くようになりました。経済の分野に自由を取り入れることにより、韓国は国内的には工業国に、国際的には貿易大国となりました。
韓国が世界市場に門戸を開放し、経済的自由を得ることにより、国民は当然、より大きな政治的自由を求めるようになりました。国内経済の繁栄により、豊かになった中産階級は次第に、自由な選挙と、国民に説明責任をもつ民主的な政府を求めるようになりました。われわれは韓国の人々が民主的自由を達成するために努力されたことを、そしてその自由で近代国家を創造されたことを高く評価しています。韓国は今や世界で最も成功した経済を有し、アジアで最も成功した民主主義国家のひとつです。自由を求める他国への援助においても、韓国は世界で指導力を発揮しています。現在、韓国はイラクにおいて展開する多国籍軍に3番目の規模の部隊を派遣しています。中東の中心部に位置するイラクの人々が自由社会を築くことを援助することにより、韓国は、より平和で希望に満ちた世界のために貢献をしているのです。
台湾もその経済を自由化することにより、抑圧された社会を民主主義へと移行させました。台湾の人々も長年制限された政治状況のもとにありましたが、徐々にその経済を開放してきました。世界に市場開放することにより台湾は世界で最も重要な貿易大国・地域のひとつに変身しました。経済の自由化は個人の政治的自由への願望を刺激することとなりました。なぜならば、自分の財産を管理することが許されている人々は皆、自分の生命、将来を自分で管理することを求めるようになるからです。
今日の台湾は自由で民主的で豊かです。あらゆるレベルにおける自由の容認は、人々に繁栄をもたらし自由で民主的な中国人社会をつくりました。米国の「ひとつの中国政策」に変わりはありません。その政策は3つの共同声明、台湾関係法、そして、いずれの側からも現状を一方的に変える試みがあってはならないという米国の信念に基づいています。米国は中国と台湾が互いの相違を平和的に解消させるような両者間の対話を行う必要があることをこれからも強調していきます。
他のアジアの国々も自由に向かって歩み始めましたが、その旅はまだ終わっていません。30年前に私の父が北京で米国大使を務めていたとき、孤立状態にあった中国は文化大革命によってもたらされた混乱から立ち直ろうとしていました。1970年代後半、中国の指導者は自分の国を厳しく見つめ直して、変えようと決意したのです。そして経済発展のために門戸を開きました。今日、中国の人々の食生活と住生活は改善し、これまでの歴史上のどの時代よりも恵まれた機会を享受しています。
経済改革を進めた結果、中国の指導者は自由への扉がいったん開けば、それが、たとえわずかであったとしても、2度と閉じることは出来ないことを認識しつつあります。豊かになるにつれ、人々は政治的自由も要求するようになります。胡錦濤国家主席が彼の平和的発展構想をかつて私に説明しました。胡錦濤氏は国民がより豊かになることを願っています。私は彼に中国の人々は自分を表現するために、国家の規制を受けずに信仰をもつために、そして処罰を恐れる必要なく聖書やその他の宗教書を出版するためにさらなる自由を求めていると申し上げました。中国の人々の自分たちの社会をより良くしようという努力は中国の発展の一部として高く評価されるべきです。国民の自由と開放性を求める正当な要求に応えることによって、中国の指導者は中国を近代的で、豊かな、自信に満ちた国に成長させることができるのです。
中国の米国市場への参入は中国経済発展に重要な役割を果たしました。そして中国市場への参入を希望する米国企業のために中国は公平な条件で競争できる市場を提供する必要があります。米国は、中国のWTOへの加盟を支持しました。他国と同じように国際的ルールを順守する中国が自由で公平な世界貿易システムに寄与すると信じたからです。ニューヨークで胡主席とお会いしたとき、主席は米中貿易にさらなるバランスをもたらし、また知的財産権を保護すると述べました。中国が7月に柔軟で市場に基づいた為替システムを導入すると発表したときと同じように、主席の言葉を歓迎いたしました。そのような発表は良いスタートですが、中国は目標達成のため行動を起こさねばなりません。中国との貿易問題を解決するための方法を見つけなければなりません。そのため、胡主席との率直な話し合いをAPECと北京で行うことを楽しみにしています。米国と中国は繊維分野で先週合意に達しました。これにより両国の取り引きはより確実に、より予測可能になるものと思われます。またこれは、努力と決意があれば困難な問題は解決できるということを示しました。
中国は国際社会で積極的な役割を果たすことができます。朝鮮半島に平和をもたらすための6者協議の議長国という重要な役割を果たしている中国を歓迎しています。相互尊重、国際的ルールや基準の順守という精神にのっとり2国間の貿易問題を解決することを楽しみにしています。また中国の改革・開放路線の継続を奨励します。中国国内の自由が拡大すればするほど、世界から、より歓迎されます。
アジアには中国のように自由への第1歩を踏み出していない国があります。それらの政府は、経済的自由と政治的自由は不可分であると理解しているがゆえに、開放政策を取ることを拒否しているのです。これらの国の与党は権力にしがみついているのです。開放政策拒否の対価は孤立、後進性、残虐行為です。これらの国はアジアの過去の象徴であり未来を象徴しません。自由への扉を閉ざすことは、国内では惨状をもたらし、国際社会を不安定にします。
ビルマには自由がありません。ビルマは本来アジアで最も繁栄、成功しているはずの国の1つです。しかし現実には、ビルマはアジアで最も貧しい国のひとつです。15年前、ビルマの人々は投票し、民主主義を選んだのです。しかし政府は多数の民主主義指導者を投獄しました。その結果、豊かな人材と資源に恵まれたこの国の数百万の人々は生きながらえるためだけに日々戦っているのです。ビルマ軍事政権の権力の乱用は強姦、拷問、処刑、強制移住等広範囲に及んでいます。強制労働、人身売買、子供兵の使用、宗教的差別などは日常茶飯事です。ビルマの人々は暴政の暗黒で生活していますが、彼らの心には自由の光が輝いています。彼らは自由を欲しています。そしていつか自由を手に入れるでしょう。
米国はまた、北東アジア、特に過去に列強が衝突した朝鮮半島での自由の行方を懸念しています。休戦とは終わりのない戦線を凍結するものです。核兵器の開発は地域の安定を脅かします。衛星写真によると、北朝鮮にはひとつの市ほどの大きさの収容所があり、国全体が夜には真っ暗闇に包まれます。
この新世紀に、中国、日本、ロシア、米国、そして韓国はこの困難な半島に平和と自由をもたらす道を模索し始めました。6者協議は朝鮮半島から核兵器をなくすという誓いを立てました。この誓いを達成するために行動を起こさなければなりません。それは固い決意に裏打ちされた、関係国すべての包括的な外交努力を意味します。われわれは北朝鮮国民のことを忘れません。21世紀はすべての朝鮮半島の人々にとって、自由の世紀となるでしょう。いつか彼らは尊厳、自由、繁栄の下に生き、近隣諸国と平和に共存するでしょう。
われわれは、すでにそのような輝かしい未来を垣間見ています。アジア全体で進む自由、繁栄は全世界で希望に満ちた前例となりました。アジアにおける民主主義国家の歴史は浅いが、それら国家の夢は非常に古いものです。トーマス・ジェファーソンやアブラハム・リンカーンが生まれる数千年前に詠まれた中国の詩に、「国民をいつくしめ。国民は国家の礎なり。礎が強固であれば国家は安泰なり」とあります。アジアの人々は自由へ願望を明らかにしました。国家は、人々の、人々による、人々のための政府があってこそ初めて安泰が得られるのです。
21世紀においては、自由がアジアの価値観となるでしょう。なぜならば、自由は普遍的な価値を持つからです。自由はアジアの人々が尊厳ある生活をすることを可能にします。自由がアジアの人々の創造的な才能を開花させました。自由がアジアの人々に、その子供たちおよび孫たちの将来は平和であるとの確信を与えてくれるのです。今後の取り組みの中で、アジアの人々は米国政府にパートナーがいて、米国民の中に友人がいることがわかるでしょう。
すべての米国民を代表して、ありがとうございました。