北アイルランドのカトリック過激派組織アイルランド共和軍(IRA)が先月28日、政治的手段としての武力を放棄することを発表したことに関し、ローマ教皇ベネディクト16世は同31日、IRAの声明を歓迎する意向を示した。
教皇はIRAの声明に対し、「今日、世界各地で起きている悲惨な出来事とは対照的な、素晴らしい知らせだ」と述べ、「例外なくすべての人々が、この勇気に満ちた行為に続くよう、また互いの信頼を強め、和解を深め、公正かつ永久の平和のための交渉をまとめるため、さらなる手段を講じるよう願う」と語った。
IRAは、1919年北アイルランドの英国からの独立を求めて成立。これまで対英テロを繰り返してき、犠牲者は1800人近くにのぼるとされる。
今回の声明の中でIRAは、武装闘争を全面停止し政治運動に移行するとしている。さらに、武装解除の履行を保障するため、独立した国際委員会による監視を受け入れ、カトリックとプロテスタントからも聖職者を立会人として招くことを表明している。