家庭内暴力(DV)を受けている女性の7割以上に心的外傷後ストレス障害(PTSD)や、それに近い症状がみられ、そのうち2割が自殺を考えていたことが厚生労働省研究班の調査でわかった。読売新聞が3日報じた。
今回の調査は日本では初めて本格的になされ、家庭内暴力を受けている女性の受けた心の傷を癒すことの重要性が明確となった。
調査は、医師や警察などが必要性を認め神奈川県の民間緊急避難施設や公共保護施設に入所した女性148人を対象に2001年4月から今年5月までの期間行われた。心理士が精神科医とともに診断した。
調査結果では、心的外傷後ストレス障害と診断されたのは65人で全体の44%に上ることがわかった。被害体験がよみがえる「再体験」などの主要な症状が続く部分的な障害も含めると111人(75%)にもなったという。
また、ストレス障害との診断を受けた女性は「心理的な攻撃」や「性的な強要」も受けたことがあるとの結果が出た。
自殺について問われ、過去1カ月以内に自殺を考えていたと答えた女性は2割を占め、家庭内暴力の与える精神的傷がいかに深いものかが浮き彫りとなった。