財団法人社会経済生産本部が今年度新入社員に対して行った調査で「自分の良心に反する仕事でも、会社のため指示どおりの行動をする」と回答した社員が2年連続で4割を超えたことが分かった。権威主義の思考が依然として多くみられ、会社員の倫理面が悪化していることを示したと説明されている。
調査は2005年3〜4月、新入社員研修受講者に「若者意識アンケート」を配布して実施、1848人の回答を得た。新入社員の意識を見るために1990年より継続的に行われている。
調査結果では能力主義や業績主義を希望する答えが多い一方で、年齢や経験によって給料や昇格が決まることを希望する割合がそれぞれ3割を超えた。また「従来の基準や慣習に反しても、法律に反しないことであれば、多少強引な手段や方法をとっても問題ない」とする意見が3割を超えた。
転職に関しては否定的な意見の割合が増加した。「就職先選択に際し、会社に対して求めたこと」の優先順位では「仕事のやりがい」が減少し、「給料がたくさんもらえる」が増加したという。
先月30日付けの日本経済新聞によれば、同調査では転職に否定的な意見の割合も増加し、同本部は「厳しい就職活動を反映し、会社にしがみつこうとする意識が強まっているのでは」と指摘した。