ケニアがここ数年の干ばつの影響で、このさき数カ月に断続的な降雨があったとしても、食糧支援がない場合、200万人が飢餓状態に陥る可能性があることが26日(日本時間27日)WFP(国連世界食糧計画)の発表でわかった。
干ばつと慢性的な貧困の影響で、干ばつの深刻なケニア北部と東部を中心にケニア全土では数千世帯が十分な食糧を得ることが出来ないでいる。
WFPは干ばつが夏季にかけてさらに悪化することを受けて、同国に8万3千トンの食糧支援を実施する計画を発表した。
WFPは、被害がもっとも深刻な国民100万人には全面的な食料支援を、このほか60万人を対象に生活再建に必要な基盤づくりの支援を行う。
WFPは資金不足の状態が続いている。WFPからの最近4カ月の食糧支援は必要量の37%にとどまっており、残り5万2千トン(2千800万ドル相当)が確保できない。
WFPケニア担当局のテセマ・ネガシュ局長は「昨年11月から12月にかけての雨季は、雨の降った地域と降らなかった地域が混在し、ある地域では例年以上の降雨に恵まれ作物はよく育ち、家畜も干ばつの影響から回復してきた。一方で、他の地域では降雨量は例年よりも悪かった」と報告した。被害が最も大きかった地区では2期連続で降雨がほとんど観測されず、人命を脅かすほどになっているという。
ネガシュ局長は「ほとんどの作物が不作に終わり、家畜は死に、子牛は他の牛を保つために殺すしかなかった。回復に向かう地域もあるので、被害が深刻な地域を中心に支援を続ける」と語った。