25日午前9時20分ごろ、兵庫県尼崎市のＪＲ福知山線塚口―尼崎駅間で、宝塚発同志社前行き快速電車（7両）の前4両が脱線、線路からはみ出し、1、2両目はマンションに激突、大破した。電車には乗客はほぼ満員の約580人が乗っており、兵庫県警と尼崎市消防局によると、午後4時現在で、乗客ら50人の死亡が確認された。負傷者は約300人に上るという。

県警や同消防局によると、死者の内訳は男性25人、女性24人で、残る1人が性別不明。重体、重傷者は43人になるという。1、2両目の車内にまだ乗客が閉じこめられているが、生死は不明で、運転士は重体の模様。けが人は兵庫医科大病院（西宮市）や尼崎中央病院（尼崎市）などに搬送されている。

先頭車両は線路脇のマンション（9階建て）一階にめり込む形で衝突。後続車両も前の車両を押しつぶすような形で次々に脱線した。前の車両は客車部分と車輪部分が分離し、客車部分は車体がＬ字形に折れ曲がった。

現場は、右急カーブする地点。制限速度は70キロで、それ以上は「危険域」とされているが、実際の通過速度は不明。脱線時に車と衝突した形跡はなく、単独事故と見られる。

電車は現場手前の伊丹駅で約8メートルオーバーランし、バックして停車、1分半遅れで運行していた。松下正俊車掌（42）は「通常より速度が出ていたかもしれない。遅れを取り戻そうとしたのではないか」と話している。同社によると、計算上、133キロ以上になると脱線するという。