脳の機能障害で起こるとされる自閉症について、日本自閉症協会が全国3000人を対象に調査した結果、回答者1450人の3割が自閉症の原因を心の病(23%)、遺伝(5%)、親の育て方(3%)などのものと誤解していることがわかったと18日、読売新聞が報じた。
自閉症は言語発達の遅れ、対人関係構築の困難、活動や興味の範囲が狭いことを特徴とする障害で自閉症を持つ人は全国に推定36万人、知的障害を伴わない高機能自閉症を含めると120万人いるとされる。調査によると、その存在はテレビ(55%)、新聞(22%)によりほぼすべての人に知られているという。
特別支援教室を通じて学校に自閉症児受け入れることや、近隣に自閉症の人が住んでいることに抵抗感のない人は全体の9割に達したが、保育園や幼稚園で自閉症児が自分の子供と一緒に遊ぶことなどについては、20%以上の人が「不安がある」、「いやだ」との回答を示した。これにより親の心情では理解を示しつつも直接的な接触を避けようとする姿勢が見られた。
日本自閉症協会副会長、須田初枝氏の話: 「今回は協会関係者を通じた調査だったが、障害と犯罪を関連付けた一部報道などで誤ったイメージが植え付けられた側面もあり、純粋な無作為抽出ならもっと厳しい結果だったはず。正しい理解を広め、地域社会で生活できる環境整備を急ぐべきだ」