横浜発 − 日本政府は12日までに、合計140万米ドルを、国連世界食糧計画(WFP)を通じた食糧援助として、コロンビア、ミャンマー、エリトリアの3ヵ国に振り向けることを決定した。「日本政府からの今回の支援は、日本では余り報道されることのない『忘れられた飢餓』にきめ細かく対応するものとして大変有難い」と、WFP日本事務所代表の玉村美保子は感謝している。
南米コロンビアでは、治安の悪化や武力衝突を背景に国内避難民が増加し、食糧事情が深刻化。昨年WFPが国際赤十字委員会と合同で行った調査によれば、およそ40万人の国内避難民が食糧難にある。こうした状況を受けて、WFPでは2005年4月から2年間で、新たに家を追われた人々や脆弱者層を中心に、およそ50万人を支援する援助活動を計画。およそ4,000万米ドルの支援を国際社会に求めている。今回の日本政府からの50万米ドルの拠出は、ドナー国から寄せられた初めての支援。
ミャンマー北東部では、政府が麻薬の原料となるケシ栽培禁止の政策を進めることによって、元ケシ栽培農家の現金収入が激減し、貧困が進んでいる。WFPは、ケシ栽培にかかわっていた農家や農業従事者に対して緊急食糧援助を実施している。日本政府は今回、この緊急食糧援助プロジェクトに対して50万米ドルの拠出を決定。コメと栄養強化ビスケットの調達に役立てられる。日本政府の支援でケシの代替作物として栽培したソバを用いた栄養強化ビスケットが、パイロット的に配布される。今回の支援は、昨年4月の30万米ドルの拠出に引き続き、2度目の支援となる。
アフリカのエリトリアでは、隣国エチオピアとの国境紛争や干ばつなどの影響で食糧生産が落ち込み、人々の食糧状況が悪化。日本政府は今回、WFPのおよそ100万人の紛争と干ばつの影響を受けた人々を対象とした食糧援助活動に40万米ドルの拠出を決定した。とうもろこしと大豆の混合粉末の購入に充てられる。
今回決定された合計140万米ドルの支援の内訳は以下の通り。
コロンビア:50万米ドル
ミャンマー:50万米ドル
エリトリア:40万米ドル
−WFPプレスリリース−