世界保健機関(WHO)が7日、2005年版世界保健報告書を発表した。報告書は、妊娠、出産、乳幼児期に積極的な指導を続けることで乳幼児死亡率を飛躍的に減らすことができる、との見解を示している。
妊娠、出産の過程で死亡する女性の数は年間約53万人に上り、死産は300万件に上る。また、400万人を超える新生児が出産直後、または数週間のうちに死亡する。
同報告書によると、世界で年間3600万人の出生があるなか、相応の経験をつんだ助産婦の介助のもとに出産できる女性は、発展途上国の女性で全体の3分の2以下、もっとも貧しい発展途上国の女性で3分の1以下という。助産婦の有無によって母子の生死が左右されてしまうとの指摘もある。
乳幼児死亡は比較的簡単な方法で激減する。具体的には経口補水療法、抗生物質、抗マラリア性薬および殺虫剤を添付した蚊帳。このほかビタミンAおよび他の微量栄養素、母乳による育児、妊娠と出産における熟練した介護などが挙げられた。
WHO長官、リー・ジョンウック博士は報告書のなかで「積極的なアプローチがあれば、何百万もの人々の生命を左右する可能性がある」「それらが必要とする注意を母親、赤ん坊および子供に与えることは絶対的な使命」と話した。