「外国人に安定した雇用を」と訴える集会が6日、東京・渋谷区や福岡県福岡市内で開かれた。渋谷区のJR渋谷駅周辺では、世界各国の日系人、日本で働く英会話教師ら約300人が旗やプラカードを掲げ、「使い捨てはやめろ」「社会保険への加入を」などと日本人労働者との連帯を訴えた。様々な国の労働者が一堂に集まる集会は異例(主催者)。朝日新聞が6日付、7日付で報じた。
最近の外国人労働者に関する国際条例には、1990年12月18日に国連総会で採択され、その後13年を経て2003年7月1日に発効した「移住労働者権利条約」がある。同条約は、法的地位(在留資格)に関わりなく、全移住労働者とその家族に対し、労働条件や法に関する平等、緊急な医療措置を受ける権利など労働の権利に関わる保護の最低基準を設けている。移住労働者の送出国の義務と責任に関しても定めており、違法なあっ旋や人身売買など移住労働者に対する搾取を防止・撤廃する効果もあるとされている。国際労働機関(ILO)、国際移住機構(IOM)、国連人権高等弁務官事務所、ユネスコ、世界各地のNGOは歓迎を表明している。
だが、条約は移住労働者を送り出している発展途上国側の主導で制定作業が進められ、受入国側の声が充分取り入れられていないとの声もあり、批准国は送出国23カ国('03年11月現在)で、日本をはじめとする先進国は国内法との関連などから消極的で、いずれも批准していない。