バプテスト仙台南キリスト教会(東北バプテスト連合)の今井誠二協力牧師と青木康弘牧師が運営するNPO法人「仙台夜まわりグループ」が、ホームレス支援の新事業を始めて注目されている。壊れた家電製品や家具をホームレスたちが修理し、ホームレスから自立生活を始めるときに利用しようというのだ。地方紙の取材を受けるなどしており、今後は再生品を一般向けに低価格で販売し、路上生活者の自立支援も目指す。
同グループは4年前からホームレスのために炊き出しや保証人補助などを行い、路上生活からの脱出と自立を支援してきた。不用品の再利用をはじめた背景には、ホームレスが自立生活をはじめる際に必要な生活用品の確保が、ホームレスにとって非常に困難という事情があった。生活保護の規定では、購入した商品の領収書に基づいて費用が負担されるため、最初からお金を持たないホームレスには出発資金の調達が大きな課題となっていた。
グループが市民から不用品を募り、ホームレスが修理して販売することで、再生品を新品の3分の1以下の価格で提供できるようになった。職場の提供も実現することになり、事業が軌道に乗り就業者の完全自立につなげたいという。
グループ事務局長の青木牧師は「奪われ、ないがしろにされてきた一人ひとりの市民が、失われた権利を勝ち取り、居場所を与えられ、食事と職を与えられ、生活を取り戻すこと、その出来事をともに担い、喜び、実現することが、イエス=キリストがこの世に来られた本当の意味です」と話した。