2004年7月25日00時33分
自殺 3万4427人 過去最悪
昨年一年間の全国の自殺者が3万4427人で統計を取り始めた1978年以降で最悪だったことを、警視庁のまとめからメディア各紙が報じている。年齢別では60歳以上が最も多く、40歳代は12.6%増、30歳代は17.0%と急増した。負債や生活苦などの「経済・生活問題」や病苦などの「健康問題」が大幅な増加を見せ、日常生活に希望を失い霊的渇望をおぼえる人々の実態を浮き彫りにしている。
警視庁の統計資料(03年7月発表)によると、97年まで2万3000から2万5000台を保ってきた自殺者数は、98年に3万2000人まで急増し、これまでの最高は99年の3万3048人だった。03年の統計で6年連続して3万人を超えており、依然として上昇傾向を示している。
ボランティアで組織する自殺防止NPO団体、国際ビフレンダーズ・大阪自殺防止センター(大阪市中央区東心斎橋1-6-7、日本基督教団島之内教会内)によると、同センターで実施している電話相談の件数は、年々減少の傾向にある。93年に2万742件あった受信数は、96年に2万4357件でピークを迎えた後、2002年には1万6183件にまで減少した。同センターは「ボランティアの不足に加え、一人の通話時間が長時間になることが多く、深刻さが増している」と指摘している。
同センターがまとめた統計によると、自殺者は男性が女性の2倍以上であるのに対し、寄せられる電話相談では女性相談者数が男性相談者数を上回る。相談内容では、「精神疾患」が全体の40%以上と圧倒的に多いものの、「対人関係(13%)」「家族・夫婦(12%)」「人生(11%)」「経済(4%)」と、警視庁発表の自殺の理由とは違った様相を見せている。年齢別では、30歳代が最も多く(5672件、同センター02年)、40歳代(4496件、同)、20歳代(3008件、同)と続き、50歳代は1659件となっている。同センターは「女性のほうが心のうちを話しやすく、男性は男性であるがゆえに弱音を吐けず、独りで抱え込んでしまうのでは。それだけに絶望感も強く自殺の危険度も非常に高い」と指摘している。
同センターでは、24時間体制の電話相談窓口のほか、自殺者の遺族のための「自死遺族の会」、ボランティア相談員の養成講座を設置している。
<国際ビフレンダーズ・大阪>
・24時間電話相談(秘密厳守)=06-6251-4343
・コーヒーハウス(人間関係が苦手な方に)=06-6251-4339
・緊急出動=06-6251-4343
・各種問合せ=06-6251-4339
・手紙による相談=宛先:〒542-0083大阪市中央区東心斎橋1-6-7
<国際ビフレンダーズ・東京>
・電話相談(秘密厳守)=03-5286-9090(午後8時から午前6時)
・緊急出動=03-5286-9090
・各種問合せ=03-3207-5040
・手紙による相談=宛先:〒169-0072東京都新宿区大久保3-10-1 日本基督教団シロアム教会内 自殺防止センター