全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は統一協会系団体「日本人妻自由往来実現運動の会」に注意を呼び掛けている。全国弁連によると、有力紙を含む一部のマスコミが、最近の拉致問題に関連し、「帰還事業で北朝鮮に渡った日本人妻の支援に取り組む民間団体」として同会をとりあげており、注意が必要とのこと。
全国弁連は同会について、統一協会固有の目的のために運営されてきた団体であり、会長の「池田文子」の本名は江利川安栄で、1998年3月から99年1月まで統一協会の会長であったと指摘している。全国弁連は同会についての声明を発表している。同声明は以下のとおり。
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声 明
北朝鮮に渡航した日本人妻の帰国を一部認める方向での外交交渉が進められている。我々は、北朝鮮の食料危機への救援及び日本人妻の帰国が、一日も早く実現するよう希望するものである。
しかしながら、この問題に関して昨今にわかにその存在が注目され始めた「日本人妻自由往来実現運動の会」(代表池田文子、世田谷区上北沢三−三五−五)と称する民間団体について、我々は社会全般と関係方面に重大な注意を促すものである。この団体は、世界基督教統一神霊協会(以下「統一教会」という)の隠れ蓑団体であって、統一教会がその組織的思惑に基づいて維持、運営してきたものである。池田文子は偽名であって、本名は「江利川安栄」である。彼女は古くから統一教会の幹部であり、現在は統一教会の副会長である。「まことのメシア」と称する文鮮明の多額の献金や人材の海外派遣等の指示を日本の信者(特に女性信者)に伝え、これを実行させる重要な役割を果たしてきた。献金や霊感商法等による資金集めを信者に指示し、海外宣教の名目で大量の日本人信者を海外に派遣するよう指示するなど江利川は金銭被害や家庭破壊の張本人ともいうべき人物なのである。彼女は、本年八月の教会内の集会でも、「祝福式は血統転換であり、神の子女、天国への道であり、神の血統になることです」と述べて、本年一一月二九日に予定されている統一教会の三六〇万組の合同結婚式への伝道に励むよう信者にげきを飛ばしている。また、時が良くても悪くても種を蒔き続けたら神様が育てて下さる。」と述べて、自ら代表として一九七四年に結成した「実現運動の会」の諸活動について示唆しているようでもある。
池田文子こと江利川安栄は、一九六五年から数年間、東京都小平市にある朝鮮大学校の認可に対する反対運動を国際勝共連合の組織名で推進した。また、一九七八年四月には、コリアゲート事件に関連して、KCIAから渡された三〇〇〇ドルを統一教会の幹部朴普■(パク・ポヒ)を通して受け取った旨記者会見で述べている。最近では、世界平和女性連合の日本の会長とも名乗っていた。
また、文鮮明は、一九九一年一二月に金日成主席(当時)と会談し、朴普■は文鮮明の代理として金日成の死後いち早く金正日書記とも会談している。一九九二年以降、統一教会信者は再三にわたって文鮮明の生地とされる北朝鮮領内の定州(チョンジュ)訪問ツアーを集団で実施し、日本人信者が平壌にある普通河(ポトンガン)ホテルの経営・運営を担当している。このように、統一教会は、北朝鮮要人への取り込みや金剛山開発への協力等の名目での利権獲得を策してきた。日本人信者は、これらの活動を支えるため多額の献金を強いられてもきた。
最近「日本人妻自由往来実現議員連盟」が一〇〇名余の議員で組織されたとも聞く。統一教会がこの問題を口実に日本の政財界への浸透を策していることは明らかである。
我々は、北朝鮮にいる日本人妻や食糧難の問題が、万が一にも統一教会・文鮮明の策謀に利用されることなく解決されることを強く希望する。
全国霊感商法対策弁護士連絡会
(東京全国集会参加者一同)
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