イギリスでは性転換者が性転換後、新しい性での結婚を認められる。
性転換者の戸籍上の性別変更をめぐる問題で、欧州諸国の中で終始保守的立場を守ってきたイギリスは28日、このような内容を含んだ性転換者のための新しい法律を公布した。
これによると、性転換者は性転換後に新しい性としての生涯を誠実に暮らすという誓約書を提出すれば、法的性転換が認められるようになった。焦点となるのは、誓約書を提出して誓約事項を守れば、性転換手術を実際に受けなくても良いという点だ。
これまでイギリスでは性転換者の旅券、運転免許証、医療カードなどに記載されている性別の変更を認めてきたが、日本の住民票や戸籍謄本にあたる書類上の性別変更、新しい性別での結婚は法的に認めていなかった。
イギリス政府はこの日「文明社会では個人や団体は各々が法的に受けるべき権利を認め、差別や偏見のない自由な生活を実現させるべき」と今回の措置の意向を表明した。
また、イギリス政府は国教会側の憂慮を反映して、結婚する新郎や新婦が性転換者である場合、聖職者たちは自教会施設での挙式を拒否することができる拒否権が認められる。
一方、この新法公布にも関わらず、推定五千人とされる国内の性転換者は、相続権などにおいては転換以前の性に付随する権利を保有し続けるなど、今後さらに煮詰めていく必要があるようだ。
全欧人権裁判所はこれに先立って昨年七月、憲法が性転換者たちの私生活と結婚に関する権利を侵害したというイギリス人性転換者二人の主張を認め、イギリス政府が両名に六万二千ユーロ(約八百万円)の損害賠賞金支払いを命じた事がある。