11月22日、横浜YMCAにおいて貧困・難民・環境・人権などをテーマに「Talk for Peace! −もっと話そう!平和を築くために私たちにできること」が開催され、NPO法人開発教育協会や一般を含む18人が参加した。
司会進行を務めた開発教育協会理事の木下理仁(きのした よしひと)さんは「開発教育とは、平和・人権などを学ぶ私たちが、知って終わりにするのではなく、取り組みに積極的に参加すること。教科書に載っていない戦争をどう伝え、善悪をどうやって教えるべきなのかを、今の大人の多くは答えられないと思う。価値観の押し付けではなく、皆で話題に取り上げて考えていくのが平和を守る第一歩ではないか」と語った。
`01年9月11日のテロ事件をはじめとする世界各地でのテロ事件やイラク戦争、パレスチナ情勢やアフリカの内戦及び飢餓など、人びとの記憶に新しいものから遠のきつつあるものまであるが、横浜YMCAでは11月を平和月間として、趣向を凝らした多様な催し物を通じて、平和を創り出す取り組みを模索している。同期間中は、世界各国のYMCA・YWCAが祈りと想いを通じてひとつとなる。「Talk for Peace!」もこの一環として、ワークショップで参加者のための発言の場と意識の向上を狙った。
中東アジアの世界地図パズルを手渡された参加者たちは、手にしたパズル・ピースをはめながら、ピースに描かれた国の名前とその国について知っていることをコメントした。参加者の女性は「メディアで報じられている都市や国の位置についてこれほどあいまいに覚えていたとは知らなかった」と言った。
イラク戦争のドキュメンタリー番組を見た後、司会者のイラク戦争や日本の自衛隊派遣に関する「日本はもっと防衛力を強化するべきである」「イラクの人びとはイラク戦争以前と比べて幸せだと思う」「日本は自衛隊を派遣すべきだ」などの質問に参加者らが「YES」、「どちらかといえばYES」、「どちらかといえばNO」、「NO」の四択で答え、意見を交換しあった。
終盤、参加者らは『「戦争」をなくすための9つの方法』(?参照)が並べられた紙を手渡され、必要と思う方法を順に並べ、順位をつけた。多様な回答があったが、個人レベルではじめられる小さなことこそ大切だという意見が目立った。
最後には各自が感想を述べ、一人の力が平和を築くうえでとても大きな力となるなど、世界平和への希望と熱意を語った。
男性:「出された質問に正解はないかもしれないが、自分で確信を持ってやってみることが大切なのかもしれない。」
女性:「大切な人を思い浮かべて、紛争地に向かうと言い出したらどうするだろうか。賛成と反対に分かれてて対話してみるロールプレイで、引き止めるほどの理由をもっていない自分に気づかされたり、行くべきかもしれないと思う自分に気づかされた。」
男性:「今の中高生はこのようなことに意見を持てているのだろうか。彼らのような世代に働きかけていきたい。」
男性:「仮想敵国があることによって日本の安全保障の話が出てきている。日本のメディアだとイラクについて多角的に見ていると思うが、北朝鮮問題については一辺倒で悪い国としてしか報道していない。北朝鮮に行ったことのある私はギャップを感じる。もっと様々な人と様々な話をしていく機会が増えたらいいと思う。」
? 『「戦争」をなくすための9つの方法』(いちばん必要なこと、最初にすべきことなど、順位付けをして意見交換して結論を出す)
A. 「反戦」や「平和」を訴えるデモやイベントを実施する
B. 国際問題の平和的解決に向けて努力するよう、日本の政治家にはたらきかける
C. マスコミを通じて、多くの人に平和の大切さを訴える
D. 自国の軍事力を強化する
E. 貧しい国に対する食糧、医薬品、教育などの援助を行う
F. 「戦争」や「平和」について、身近にいる人たちと話す
G. 国際交流の活動を推進し、外国人と友達になる
H. 紛争の当事国(となりそうな国)の元首に、問題の平和的解決に向けて努力するようはたらきかける
I. 子どもたちを対象とした「平和教育」を推進する