米キリスト教連合(CC)は同団体の基金を準備するためにオンライン・ビジネス事業に積極的に参加して話題になっている。 キリスト教連合ロバート・コムス会長は「民主党ハワード・ディーン氏が大統領選出馬した際にインターネット事業で寄付金を集めたことに刺激を受けた」ことを事業を始めた動機とした。ディーン候補はインターネット政治募金を通じておよそ500万ドルの成果を収めたことがある。
キリスト教連合は保守的なキリスト教団体で、アメリカ国内の保守派キリスト教指導者らが多くの席を占めており、政治的には共和党を支持して政府ロビー(議会通過)活動に積極的に参加している。
同団体はキリスト教に関連する分野で2003年上半期だけでも最低100万ドルを投資して対政府ロビーを実施した。避妊問題やクローン問題に関しても強硬な反対立場を政府側に明らかにしており、最近では児童ポルノ禁止、ホーム・スクーリングに対する関連教育法案の用意を促す運動をするなどした。
現在キリスト教連合には2百万人の会員が属している。組職の大きさを利用してインターネット上でサイトを登録(SharingCertificates.com)、運営し、一般の商店で使える商品券を販売。売上金から同連合を支援するスポンサーに対して配当金を与える方式をとっている。
コムス会長は「大部分の人々が政治とキリスト教の関連問題に関心がある。にもかかわらず彼らには毎月一定額を政治寄付金として納める余裕がないのが現状」と発言し、「商品券を購入して、商店やレストラン、ホテルなどで使うことができるようになれば、神様への奉仕に費用負担を抑えて参加することができる」とオンライン・ビジネスへの意気込みを語った。
キリスト教連合がこのような積極的な募金方法を採用したのは今回が初めてではない。避妊反対を支持する趣旨で「プロライフ通信会社」という電話会社を設立し、昨年会員らに対して同社での一般電話契約を勧め、これに関しての報告で通信会社側は収益金のうち収益分全額を寄付金として納めたとした。
しかし一部では政治的な活動のために宗教を世俗化させて利用することになるのでは、という否定的な意見もある。
この批判に対してコムス会長は「クリスチャンも店で買い物をして経済的な活動をするのは当然だ」とし、「国内では政治支援金のために多くの団体が同様の方法を採択している」と言った。