米国で生まれ日本で育ったセンド国際宣教団宣教師の鈴木パウロ師が8日、東京都新宿区の東京中央教会で開催中の断食祈祷聖会で、高校生聖書伝道協会(hi-b.a.(=ハイビーエー)、東京都渋谷区)のスタッフや高校生から見た「現代の高校生の課題」について報告し、「いじめ、自殺、無関心、親や友人との関係、男女交際。共通点は、若者が自分たちの居場所を求めているということ。hi-b.a.で高校生のために居場所を作っていきたい。キリストの体である教会こそが若者の本当の居場所。皆さんと一緒に目指していきたい」と、クリスチャンと教会が協働で若者のための受け皿を用意する必要性を強調した。
鈴木師は、「昔は集会を呼びかけると大勢の高校生が集まったが、最近は1人のケアにかかる時間が増えている」と指摘。「若者伝道のプロに任せると言わず、全員が若い魂をケアして育てるということが大事。そのためには協力し合い、資源を分かち合うしかない」としたうえで、日本の若者のために祈り、教会に来ている1人でも多くの若者のためにケアをすると大きな変化があるはず、と信徒や諸教会・団体の団結を呼びかけた。
鈴木師はスタッフや高校生とのインタビューを収録した紹介ビデオを上映した。ビデオでは、スタッフが最近の高校生について「『人』がキーワード。人間関係が希薄に感じられる」、「進路。これからの道が見えず、迷っている」、「学校に行けない高校生が増えている」、「友達と楽しくやっているように見えて、実はその人(友人)の言ったことが本当かどうか分からない」と意見を述べた。「高校生は孤独で、居場所を探している。自分が安心できる場所。必要とされる場所。声を掛けられるのを待っていて、それがいかがわしくても魅力を感じると簡単に乗ってしまう」という意見もあった。
また、ビデオでは、hi-b.a.に参加する高校生たちが自身や同級生たちの関心事や悩みについて「受験」「友達の輪を開拓すること」「物事にも授業にも、必要以上に関心を持たない」「自殺やいじめ」「異性関連のものがすぐに手に入るから誘惑がある」「高校生のために祈ってほしい」などと思いを明かした。