「公安局の者だ。神を信じ、説教をするというあなたの行為は法に反している。今からこの場所を捜索して逮捕する」
1954年の創立以来、世界中の国々に聖書を送り届けているキリスト教超教派宣教団体「新生宣教団」(ロアルド・リーダル総支配人)は、宣教機関誌「ミッション」(季刊)を通して中国や北朝鮮、ケニアなどの海外宣教のいまを日本に伝えている。
中国政府は宗教に対し、対外的にはいかにも好意的な態度を見せている。海外からの観光客やビジネスマンが宿泊するホテルに置かれたある英文の雑誌には、「中国では宗教的な活動が日常的に行われ、信教の自由がある国のひとつです」と、国内で信教の自由が保障されていることを伝える記事が掲載されている。また政府公認の聖書印刷所「アミティ」によって聖書は中国でも印刷されており、今では聖書が「国内のどこでも手に入る」と言われている。
しかし、現地で活動するある宣教師はこう話す。「中国には約一億人のクリスチャンがいるのではないかと言われているが、そのうちのおよそ5000万人は自分の聖書を持っていない」中国では今現在も、キリスト教に対する激しい弾圧が続いている。
国内では、聖書を求める声が後を絶たない。現地教会のあるひとつの群れのリーダーは、「偶数月に4ヶ所の家の教会に、聖書を500キロ分ずつ届けていただきたい」と懇願。500キロ分の聖書、それは薄型の旧新約聖書の場合1,515冊にも相当する。
中国では日本人の想像を超えた主の御業が起こっている。現地教会のある牧師は、「私たちの教会で、先月は2000人がキリストを救い主として受け入れました」「年間5万冊から10万冊の聖書をすぐに使い切ってしまうでしょう」と現地のリバイバルについて証言し、聖書が今いかに不足しているかを訴えた。
また、教会に聖書が不足していることで起こる深刻な問題も報告されている。中国では現在、「東方閃電」と呼ばれる特異な異端グループが現地の教会を脅かしている。彼らはイエス・キリストはすでに再臨し、現在はある女性の姿になって中国のどこかに住んでいると教えている。聖書を持ち、御言葉に慣れ親しんでいる者からすれば到底信じがたい教えだが、中国のクリスチャンたちの中にはそれをそのまま信じてしまう人が後を絶たない。
一切の原因は、中国のクリスチャンが聖書を持っていないことにある。たとえあるとしても、数が極めて限られているために全員が聖書を持つことができないでいる。現地のある伝道師は、しきりに訴える。「中国にもっと聖書を届けてほしい。唯一クリスチャンの信仰を成長させるのは御言葉です。御言葉を知らなければ、神の教える真理と、そうでないものの違いを見極めることができません」
23年間もの、あまりにも長く苦しい獄中生活を強いられるという厳しい迫害を経験しながらも、今もなお福音を伝えるある現地の牧師は、中国の深刻な現状について次のように話した。
「中国のために祈ってください。当局は教会を管理し、みことばから様々な教えを排除しようとしています。今、『ローマ人への手紙』を聖書から削除しようという動きがあります。そして、当局の管理下にある教会の多くでは、十字架や復活を語らず、恵みによる救いではなく、行いによる救いを教えているところもあります。国内には公認の印刷工場が6ヶ所あり、実際聖書が印刷されていますが、数に制限があります。そして仕上がった聖書は、当局公認の場所でしか購入できません。家の教会のように、当局に従わない者に聖書は渡りません。それでも都市では以前より聖書を手に入れられるようになりましたが、地方では聖書を手に入れることがとても困難です。まだ中国の状況は厳しいのです。お祈りください。聖書は必要です」
新生宣教団では、彼らの切なる要望に応えるべく、年間500万冊の聖書、また1500万冊の福音文書を印刷している。
総支配人のロアルド・リーダル氏は、「日本から中国へ御言葉を届けることができるとは、なんと言う恵みでしょうか。『目を上げて畑を見なさい。色づいて、刈り入れるばかりになっています』とヨハネ4章35節の御言葉にありますが、中国はまさにこのリバイバルが起こっている国です。何百人もの兄弟姉妹たちが、自分の聖書が持てるようになることを神様に日々祈り、待ち望んでいます」と訴えた。
この聖書印刷の働きは、多くの人々の祈りと献金によって支えられている。新生宣教団・海外宣教部への献金は、郵便振込:NLL海外宣教部(00100−3−759926)、または銀行振込:新生宣教団海外宣教部(埼玉縣信用金庫・坂戸支店(普)6173008、三菱東京UFJ銀行新座志木支店(普)1837027)で受け付けている。また希望者には、ビデオ「中国宣教レポート」「燃える中国への幻」「ソビエト宣教レポート」「ロシア宣教レポート」、宣教機関誌『ミッション』(季刊)『ザ・ミッション』(年一回発行)も贈呈(無料)している。詳しい問い合わせは、海外宣教部(電話:049・296・0727、メール:[email protected])まで。
新生宣教団ホームページ(http://www.nlljapan.com/)