1939年の衆議院本会議中に神社参拝強要を非難する声明文を提出し、逮捕・投獄され、その後獄死した教会長老、朴寛俊さん(享年70歳)の殉教記念礼拝が30日、都内の教会であった。在日大韓基督教会が主催、日本基督教団と日本キリスト教会が後援した。朴さんの長男、朴永昌牧師(米・ロサンゼルス光復会)をはじめ、日本と韓国のキリスト教界の指導者ら参加した。
主催・後援側の牧師らは寛俊さんの信仰をたたえ、平和のためにキリスト教会が協力すべきなどと訴えた。
在日大韓の元総会長、李大京牧師はメッセージで「靖国神社参拝の反対運動は、日本の植民地政策に反対する韓国国民の愛国心から出たもの。だが、我々クリスチャンは『偶像を拝んではならない』という聖書の言葉から(参拝強要反対の)根拠を見出すべき」「神は偶像崇拝を最も忌み嫌われる。殉教した朴長老の信仰を見習い、この悪魔のようなものを捕らえなければならない」などと語った。
大浦勝牧師(日キ教会議長)、山本俊正牧師(日本キリスト教協議会総幹事)、李澂然牧師(日キ教会関東地方会長)が追悼の辞を述べた。大浦師は「参拝反対に積極的でなかったことを深く反省する」「日本人クリスチャンは朴長老のような信仰を持つべき」と話した。山本師は「日本の教会は憲法や靖国神社の問題に対する政府の対応に反対の意を表明している」「朴長老の心を思い出し、平和のために皆さんと協力していきたい」などと語った。
遺族代表挨拶で朴永昌牧師は「父はキリストのために命を捧げた、まるで原子爆弾のような信仰の人だった」と証しした。「私たちの願いは日韓の和解、そしてアジアの平和だ」「日本が全ての罪を告白し、悔い改めに進むよう働きかけていきたい」などと話した。
同師は近々、光復会を代表して小泉首相の靖国神社参拝の抗議文を首相官邸に提出する予定という。