何年にもわたる開発・発展の取り組みがハリケーンや洪水でわずか数秒ないし数時間で破壊されてしまう世界の中で、開発・発展にとって気候変動が持つ意味とは何か、そして、温室効果ガスの排出量を削減するとともに新しい形の発展・開発を通じて社会生活の真の変革に貢献するためにどのように行動をとるべきかということに焦点を当てて、世界教会協議会(WCC)とクリスチャン・エイドは4月12日から15日までロンドンで会議を開いた。
これは、今年の11月から12月までブラジルで開かれる気候変動に関する国連枠組み条約第13回締約国会議(COP13)で、温室効果ガスの削減に関する京都議定書の最初の約束期間が終わる2012年より後における交渉が行われるのに、教会が参加するための共通の方策をなす要素を新たに決定するとともに、気候変動に関する地球市民社会のキャンペーン案に宗教者が関わるための選択肢を検証したもの。
WCC気候変動作業グループにとって、このような要素ないし基準となる文書とは、例えば、気候変動と開発・発展の接点について神学的・倫理的な視点から考察し、北側の社会が気候変動に関して持つ責任や、南側の社会がどのように自らの正当な発展・開発の目標を追求できるかということに関わるものである。
中国やインド、南アフリカ、ケニア、アルゼンチン、ブラジル、米国、カナダ、ロシア、スウェーデン、ドイツ、オランダ、英国から同会議に参加した教会関係の救援・開発機関の代表者たちは、ケニア山の斜面の水資源を回復するための具体的なプロジェクトや、ブラジルの雨水を採取するための巨大な計画への教会の参加、あるいはインドや中国における再生可能なエネルギーのための小規模なプロジェクトについて議論した。
「音楽を通してなら人々の心に届く」と確信しているWCC気候変動作業グループは、音楽家を招いて気候変動と地球共同体に関する歌を作曲してもらい、1968年にウプサラで開かれたWCC総会の40周年を記念して2008年11月に同地で行われる諸宗教の催しなど、近いうちに行われる活動にそれを添えるという。
なお、同会議には、次の団体から25人が参加した。
ブレッド・フォー・ザ・ワールド(ドイツ)
クリスチャン・エイド(英国)
チャーチ・オブ・スウェーデン・エイド
チャーチワールドサービス(米国)
福音派環境ネットワーク(米国)
ICCO(オランダ)
カイロス・カナダ
ノルウェー・チャーチ・エイド
ティアファンド(英国)
世界教会協議会気候変動作業グループ
(記事提供:WCC気候変動ネットワーク)