青少年犯罪が増えていることを憂慮した友納靖史牧師(日本バプ連盟・長崎バプテスト教会、長崎県長崎市)ら実行委員会が、心の傷ついた子供たちを励まそうと、ワーシップソングなどを収めたCD「長崎から贈る 希望のうたごえ―悲しみが喜びにかわるとき」を制作した。1日から県内の学校で配布している。
「君は愛されるため生まれた」など全7曲が収録されたこのCDは、昨年11月に活水女子大(野々村昇学長、同県同市)の音楽スタジオで録音された。今回は配布用として2000枚を用意した。
昨年春、同教会に通う児童が学校で「君は愛されるために生まれた人」を口ずさみ、担任の教師がこの曲に興味を持ったことがきっかけとなった。教会員が同曲をテープに録音し学校に持っていくと、この曲がクラスで歌われ、人権集会などでも歌われるようになった。
また、家出した少年少女が同教会を訪れた際、一緒にこの歌を歌ったところ、好評だった。友納牧師は「家庭や学校で傷つき、自分ではどうすることもできずに苦しんでいる子供が、賛美によって慰めを受ける姿を目撃した瞬間だった」と振り返る。
教会の枠を超えた広がりをみせる賛美の力を実感した友納牧師は、子供たちを励ますCDの製作を決心した。
「長崎では深刻な少年事件が多発しています。心に痛みを受けた子どもたちをどうにかして慰めたいという思いがありました。」
だが、学校と教会との関わりは極めて限られている。そこで、友納牧師はもっと多くの子供たちにCDを聞いてもらうために、周囲に協力を呼びかけた。
この呼びかけに、ミュージカル俳優の井上芳雄さん(グランアーツ)、ゴスペル歌手の本田路津子さん、CDのジャケット画を描いた、創作絵本作家の葉祥明(よう・しょうめい)さんらが応じ、県内の小中高校15校の児童生徒ら約70人が収録に参加した。
CDの反響は大きく、小学校の校長から「学校中で歌いたい。ぜひ楽譜を」との申し出もあった。
友納牧師は「私の使命は一つ、福音を伝えること」と、奉仕の原点を忘れない。このCDを通して子供たちが真の慰め主、神様と出会ってほしいという友納牧師の声は、子供たちの心に語りかけているかのようだった。
実行委は1口2000〜2500円の募金を呼びかけている。募金者にはCDが贈られる。問い合わせは実行委事務局まで。(電話095-879-2131)
リンク:『長崎から希望の歌声を』実行委公式ウェブサイト