北海道札幌市の単立・愛隣チャペルキリスト教会(内越言平=本名・内越正俊=牧師)では、MEBIG、チルドレン・レスキュー・ミッションなど、子どもに関する様々な働きを行っており、その働きは国外にまで広がっている。
MEBIGとは、MEMORY(弟子化―御言葉の分かち合い)、BIBLE(礼拝―メッセージ、賛美、祈り)、GAME(遊び)の頭文字をとってつけられた毎日行われる教会学校のことだ。『その子をわたしのところに連れて来なさい。』(マルコ10:14)という御言葉を基盤とした子どもミニストリーとして、日本だけではなく韓国、台湾、中国、インドネシア、アフリカ、ブラジル、米国、シンガポールなどでも行われている。 また、同牧師は全国47都道でMEBIGセミナーを開くことをビジョンに掲げている。
チルドレン・レスキュー・ミッションは、『この小さなものたちの一人が滅びることは、天にいますあなたがたのみこころではありません』(マタイ18:14)という神様の御心に従順する心から始まった働きだ。「家族崩壊」が問題視されて久しい今日、子どもの非行化はますます低年齢化しているのが現状だ。子どもは暖かく、ときに厳しい、確かな愛の中で守られる権利を持っている。しかし、子どもを取り巻く環境は「離婚」「家庭不和」「近親相姦」「暴力」「虐待」「シンナー」「テレクラ」「万引き」「不純異性交遊」など、その数の多さは悲惨なものだ。
レスキュー・ミッションの働きは、「新しくやり直したい」と願っても行き場のない子どもたちを受け入れるホームを提供して、家族の味を知ってもらいながら豊かな人格形成を助ける目的で1975年から始まった。内越牧師は、泰子夫人と共に今までに30人以上の子どもを引き取った。同牧師が接してきた子どもの数は数千、数万人ともいわれている。
MEBIGやレスキュー・ミッション等の働きは、子どもたちのことを心から思う人たちの献金によって成り立っている。
―子どものための働きをするようになったきっかけは―r
「ある夫婦が夫婦げんかをして4人のこどもたちを家に置き去っていった話を聞きました。その4人を家に連れてきて世話をするようになったことが、これらの働きの始まりでした。また、米国で大人のためのレスキューが存在することを知りました。日本で子どもたちのためのレスキューがなかったので、それをするように神様に導かれました。」
―子どもたちの信仰の継承について―r
「明確な救いの体験が大切です。そのためにもキャンプやリトリート(主に)を通しておともだち自身が「罪人」であることをしっかりわかることが重要だと考えています。」
―親に求めること、親の責任について―r
「今の日本には、父親、母親がいなくなったように思います。みな、男、女になってしまったということです。しかし、子どもたちが健全に成長するためには、?父親と母親の仲が良いこと、?親が子供と、量的ではなく、質的な時間をもつこと、?親がしっかりと、しかも喜んで信仰生活をしていること-- などが重要となってきます。しかし、これらのことさえ出来ていれば子どもたちの健全な成長は確かなものとされます。」
最後に内越牧師は、子どもたちの存在について次のように語った。
「MEBIGの理念は『“子ども”という子どもはいない。“子ども”という人間がいる」です。世の中を見るとまだ、子どもたちが軽視されているようです。しかし、なぜイエス様が幼子として来られたのか。それは、神様は小さな小さな子どもたちを大切に思っておられるからです。一人の大切な存在が子どもたちということです。また、日本の(教会の)リバイバルは、子どもたちを抜きにしてはあり得ません。なぜなら『この小さきものにしたのは、わたしにしたのだ』という信仰がそこにあるからです。」
これからのキリスト教界を担っていく子どもたちの信仰継承が困難と囁かれる中で、子どものミニストリーに重荷を持ち、傷つき彷徨っている傷ついた魂のために真の救いの道を開くこれらの働きが、この先さらに重要視されるのではないだろうか。
今後の予定などには、今年7月17−19日MEBIG沖縄サミット、07年海外MEBIGセミナー見学ツアー、08年MEBIG信徒(教師)学校設立などがある。特に、今年の沖縄サミット開催に約500万が必要とされており、祈りと献金の支援を呼び掛けている。詳細は同教会公式ウェブサイトで。(※ページ表示後、音楽再生あり)
〜プロフィール〜
内越言平(うちごし・ごんべい)=本名・内越正俊。著書に 「この小さき者たちとともに」「ひとりの小さきおともだちが」「楽しくいこう」「がんばれCS教師」「がんばれ役員・リーダー」「愛されるために、生まれたのにね」(ともに星雲社)がある。