教会インフォーメーションサービス(花薗征夫代表、以下CIS)は日本全国のプロテスタントの教会の情報収集保管、提供を行っている日本で唯一の組織である。
CISの情報は全てコンピューターで管理され、教会ごとに教会名、住所、電話番号、団体、牧師、礼拝出席数、教会員数、受洗者数、CS数、英語通訳のあるなしなどの情報が得られる。コンピューターで保管されるほか、地域別と団体別のファイルに分けて保存されている。教会情報は、直接各教団事務所に問い合わせるほか、クリスチャン情報ブックやキリスト教年鑑などから情報を集めているという。それでも全国で千二、三百ある単立教会は集めにくく、今後の課題だという。
CISは一九六九年、アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団のドネル・マクリーン宣教師が宣教計画立案のために日本にある教会のリストと地図を作る目的で設立された。その後、日本宣教師団の宣教師たちが、情報管理を受け継ぎ、八〇年からは正式に事務所を構えて活動を始めた。
CISの利用者は宣教師、牧師、信徒がほとんどで、宣教、伝道の計画、引越し先での新しい教会探し等に利用するという。また未信者からの問い合わせも年間数十件あるといい、この活動を通じて後に洗礼を受けた人もいるという。
花園代表は、「数は多くないが未信者自ら連絡してこられるのはすばらしいこと」と語り、「微々たる働きだが、宣教に役立てば」と話す。さらには日本で宣教していた宣教師が帰国後、現地で伝道した日本人の受け入れ先の教会紹介の問い合わせも年間十から二十件ほどあるという。
CISの活動は教会案内が主だが、宣教調査を依頼されることもあり、教会の多い地域少ない地域、ある地域の中での教会の分布などを調査するという。教会紹介時、事務所に日本全国の地図を設置、その上に教会の位置をつけており、交通の便も考慮し近くで一番通いやすい教会を紹介することが可能。花園代表は、他にもデータを集めたり、研究をしている機関はあるが、このように紹介出来る働きは独自のものであると話す。
CISの情報から日本の教会の発展を見ると、戦後五十年間は七十年代をのぞき、教会数が順調に成長してきたが、ここ十年ほどは成長率が下がり、さらに二、三年前には減少に転じたこともあり、伸び悩んでいる。花園代表は、バブルの崩壊も一つの要因ではないかと語り、それでも弟子訓練をしっかりしている教会は伸びているという。
受洗者数も年間八千人から一万人で、一つの教会あたり平均一人、大部分がゼロの教会だという。教会のない市の数もここ数年ほとんど変化せず、また、昔からの流れとして郡部にもなかなか教会が建てられにくい。
花園代表は、教会を続けていくためには自立しなければならず、都会の教会が今以上に郡部に手を伸ばし助けるなど新しい宣教を広げなければならないのではと語る。
今後の計画として、花園代表は、職業別、男女別、年齢別のデータなど、より詳細に教会に必要なデータを集められればと話す。そして、成長している教会の働きを紹介しながら、具体的な教会のあるべき姿を示すことで教会に仕え、福音宣教の一翼を担っていきたいと話した。
グローバリゼーションの時代の現在は国境に関わりなくつながっていき、世界中のクリスチャンと、現状にあわせて交わり祈り助け合うことが出来るように、英語による発信も進めていき、今後はウェブサイトの英語ページを準備するなどさらに活動を広げていきたいという。
花園代表は、「ごく小さな働きではあるが、ビジョンと意義は全ての教会をカバーし、世界とのつながりもあり大きい。これから機構改革を進め、もう少ししっかりとした大きな組織にできればと思っているので、ぜひお祈りしていただければ」と抱負を語った。