キリスト教精神に基づき、全国で人工妊娠中絶に反対しながら胎児のいのちと人権を保護する運動をすすめている「小さないのちを守る会」(代表:辻岡健象牧師)が4月30日、午後六時よりお茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)愛隣ホールで2004年度年次総会を開き、約30人が出席した。この総会で、巡回牧師の水谷潔師が辻岡代表の後継者として新主事就任の承認を受けた。
第一部の礼拝では斉藤篤美牧師(衣笠中央キリスト教会)がメッセージを伝えた。第二部の総会では辻岡代表が議長をつとめ、昨年度の活動と会計の報告、2004年度の活動計画と予算が承認された。第三部の特別講演と証では、水谷牧師が主事就任にいたるまでの辻岡代表とのいきさつと主事就任の感想を証し、これまでの働きに加えて今後はいっそう教会につかえていきたいと語った。特別講演で名古屋支部の土屋繁牧師(笠松キリスト教会)が、小さないのちを守る会を通じて得た2人の養子と自らの体験を証しながら、同会の働きの大切さをうったえた。
小さないのちを守る会によると、日本では一般公表で年間60万人、実際には300万から500万の胎児が妊娠中絶によって命を失っているという。同会はそのような命を守ろうと1984年に結成され、今年で20年目を迎える。これまで、望まない妊娠をした女性や周囲の人びとのための出産援助をはじめ、養育不可能な新生児や幼児の養子縁組の相談や、講演会やパンフレット、書籍で若い世代に聖書に基づいて性の尊さを伝える「いのちと性」の啓蒙教育をするなどしてきた。また、過去の中絶体験に苦しむ人たちのために、罪意識からの開放と救いの道を伝えている。活動は徐々に拡大し、現在は東京を本部として全国に十支部を設置、活動費として1年間で約1200万円の献金・会費収入がある。
小さないのちを守る会の活動については、小さないのちを守る会東京本部(電話・FAX:03・3233・4988)まで。