世界聖書翻訳センター(以下、WBTC)は、北朝鮮政府による検閲をすり抜ける目的で、聖書の表紙デザインを多数用意し、頻繁に変更する作戦を始めることがわかった。同国では最近、WBTCが発行した聖書を所持していたキリスト教徒が逮捕され、公開処刑されている。
現在WBTCから北朝鮮に密輸する聖書は表紙が画一化されていて、当局が発見し次第、所持者を逮捕する。そのため、WBTCは、当局の検閲を難しくしようとさまざまなデザインの表紙を作ることを決定した。WBTCは「北朝鮮のキリスト教徒を迫害から守らなければならない」としている。
北朝鮮政府は、公安当局が宣伝用に発行している聖書以外の聖書を個人が所有、配布することを禁じ、違反者は13年以上の懲役または極刑と厳しく罰せられる。WBTCの報告によると、北朝鮮は年間数百人のキリスト教徒を聖書所持罪で処刑している。
WBTC副総裁のジョン・アンダーソン氏は、「信徒たちの安全を確保すべきだ。WBTCは神に呼ばれていのちをささげている人々を全力で守らなければならない」と話している。
WBTCはヘブライ語やギリシア語聖書を基にして、教養を問わず多くの人々にも理解できる翻訳をめざし、1973年の創立以来30言語1100万部以上を頒布した。