ローマ法王ベネディクト16世は11月30日、イスタンブールで東方正教会のコンスタンティノープル総主教バルトロメオ1世と共同宣言を発表し、「欧州はキリスト教的ルーツや価値観を保ちながら連合しなければならない」と、欧州連合(EU)の精神的土台をキリスト教に置くべきとの立場を強調した。トルコのEU加盟が論議される中、イスラム教徒が99%のトルコをどう扱うかについて宣言は微妙な影響を与えそうだ。海外メディアが同日伝えた。
トルコを訪問中のローマ法王は前日夕、イスタンブールの聖ジョージ教会を訪れた。今回の訪問の目的は、東西キリスト教会の相互理解にむけて、さらに一歩交流を進めることにある。聖ジョージ教会では、総主教が「愛する兄弟よ」と呼び掛けると、法王は「ともに神に祈れることを幸せに思う」とあいさつし、両者は東西教会の一体感を強調した。