米国では宗教生活が個人の人生の充実感に大きく寄与していることが最近の研究で分かった。米紙クリスチャンポストが30日(現地時間)伝えた。
宗教信仰を持つ人のほうが人生が充実していると感じる傾向にあり、特に年配者でその傾向が顕著という。富裕層で身体が健康な壮年の中でも、宗教信仰を持つ人のほうが、信仰を持たない人よりも人生に満足を感じる傾向が強いことも分かった。研究はニューハンプシャー大社会学教授ミシェル・ディロン氏のチームが実施した。
ディロン氏は、人が疾病など人生の困難に直面した際、宗教信仰が困難の意味や安息を得る源泉となっていると説明した。信仰を持つ人ほどさまざまな状況を乗り越える手段を心得ているという。
チームはカリフォルニア北部に1920年代に生まれた男女200人を対象に行われた。研究はこの200人を青年期、成人期、中年期、壮年期を含む約80年間にわたって追跡するかたちで実施。それぞれの時期に人生の充実度に関する詳細なインタビューを行い統計を取った。
宗教信仰を持つ人のほうが家族や知人を訪問したり、地域社会の活動に参加したりするなどの社会的活動、絵画や手芸などの趣味を積極的に楽しんでいる傾向が強いことも分かった。他者に対する同情や配慮、寛容な姿勢も宗教信仰を持つ人のほうが顕著であったという。
ディロン氏は、死後の世界を信じて教会に継続的に通う人々のほうが、死後の世界を信じる一方で教会にほどんど行かない人よりも、死に対する恐怖心が少ないようだと総評の中で述べている。教会に通うなどして信仰を積極的に実践することにより、人生における安息感が高まることが分かるという。