オーストラリア聖公会で最有力のシドニー教区が24日の年次教区総会で、女性司祭議案を廃案としたことが30日までに同国メディアの報道で分かった。
この決定は同日の総会で秘密投票により成立したもので、事実上シドニー教区が女性司祭議案に反対をしたことになる。
牧師、一般信徒を含む議員約600人のうち315人が投票。このうち235人が女性司祭議案を再提出する必要はないとの認識を示した。投票した議員のうち聖職者は198人で、このうち165人(8割強)は「今後議論は不要」としており、一般信徒の4割と比べて聖職者のほうが女性司祭に否定的な見方をしていることが分かった。
クリス・アルバニー司祭は、前回女性司祭議案が提出された2000年と比べて、総会議員の間で同議案に対する見解に変化がみられるとしており、年末に同国聖公会管区が予定している女性司教の按手の前にシドニー教区の議案を再討議する必要があると主張している。
同国聖公会は1992年に女性司祭を容認したが、シドニー教区は4年毎開催の教区総会で96年以降、連続で全国教会法を拒否し、女性司祭の是非に関する論議自体を無視した。女性の司祭任命に反対するグレン・デービス司祭(北シドニー)は、聖書が女性司祭を明確に否定しているとして今後は議案を受け付けるべきではないと話している。