「なぜ教会に行くのをやめましたか」――米キリスト教調査機関ライフウェイリサーチが現在教会に通わない人々を対象に実施した調査で、教会に行かなくなる大きな要因が浮かび上がった。
ライフウェイが公式サイトで発表した調査結果によると、教会に行かなくなった人の59パーセントがその理由について「生活環境が変わったから」と答えた。生活のなかで起こる外的、内的な状況の変化が人々の教会生活の継続に影響を与えるようだ。
その内訳を見ると、大きく分けて2つの事情が関与していることがわかった。最も多かった理由のひとつが「忙しくなり教会に行く時間が無くなった」(19パーセント)で、次いで「家族や家庭内での責任があり、教会に行けなくなった」(17パーセント)だった。
また、「教会から遠い地域に転居した」「仕事の都合上」「離婚や別居」などの回答も目立った。
別の設問で「今後、教会に行こうとは思わない」と答えた人々に最も多かった理由は「牧師または教会に対する失望」で37パーセントを占めた。失望の理由で多かった回答は「教会員の言葉・行動」だった。「態度が偽善的」「他人の罪を裁きすぎる」(ともに17パーセント)、「排他的な派閥があり交流に参加できない」(12パーセント)など厳しい意見が多い。
ライフウェイは報告で「『失望』問題については背後に別の問題があった可能性もある」としたうえで、「熱心な信徒が本当に失望を感じるケースも含まれることは確か」と指摘した。
一方、教会に行かなくなった人の8割が「神の存在を信じ切れていない」と答えていることがわかった。このことが教会生活よりも家庭や仕事を優先する原因の可能性もある。
教会を離れた理由で最も多い10の理由のうち、信仰や精神に関するものは2つだけで、「霊的な困窮や成長のための手助けが無かった」(14パーセント)「体系化された宗教に興味がなくなった」(同)。
報告でライフウェイ代表は、教会の責任や影響は個々のの状況で異なる一方、礼拝出席者に対する教会側の期待が影響を与えている可能性について述べた。また、新来者が教会を離れるのを恐れて控えめになりがちな教会が多く、新来者の霊的欲求に十分応えきれていないのでは、と問題提起している。
同代表は、教会の指導者が信徒の弟子化教育や霊的ケアにいっそう力を入れることや教会を去ろうとしている人々に対する配慮が、人々を教会にとどめるきっかけになる可能性がある、と提案した。