世界的にパーパスドリブン運動を進めるリック・ウォレン牧師が来年北朝鮮に訪問し、1万5000人のキリスト教徒を前にして説教を行うことに対してキリスト教迫害国における信仰の自由の専門家が懸念や希望を抱いている。
米クリスチャンポスト紙によると世界各国のキリスト教迫害を調べている米国NPOThe Voice of the Martyrsの報道部長、トッド・ネトゥルトン氏は複雑な感情を示しつつも「観衆がコントロールされ、政府によって厳選されるとしても福音が北朝鮮の人々に説かれると思うと心配だ。しかし私は福音が人生を変える力を持つことを信じる。そこで福音が宣べられることは大きな発展だ」と語った。
しかしトッド氏はリック・ウォレン牧師の訪朝説教により、北朝鮮のクリスチャンが直面する本当の実態を不明瞭にするのではないかとの懸念を示した。
キリスト教迫害部門の代表は北朝鮮ではクリスチャンが逮捕、殺害されており、神の存在を信じることは最も重い犯罪の3つのうちひとつにあたると話した。
世界で最初に設立されたキリスト教迫害国の報道、支援を行う団体Open Doors USA代表でのカール・メラー師(元サドルバック教会協力牧師)は神がリック・ウォレン牧師にこの機会を設けたことに驚いたというが、北朝鮮のキリスト教徒に更なる迫害が加えられることを心配している。
メラー師は大会参加によってキリスト教コミュニティであると特定された場合、迫害につながってしまうことを憂慮した。
また、北朝鮮に信仰の自由があるということをリック・ウォレン牧師を通して話させようとしているのではないかとの声も上がっている(信仰の自由と倫理委員会、バレット・デューク博士)。
懸念の声とともに孤独な国家において1万5000人が聖書の言葉を聞くことが励みとなるとの意見が多く見られた。
デューク博士はリック・ウォレン牧師の訪朝が1980年代にソビエト連邦に行ったビリー・グラハム牧師の状況と類似していると語る。ビリー・グラハム牧師が福音主義者から多くの批判を受けながらソ連に行くが、ソ連崩壊を推し進める開放的な運動のさきがけとなったと述べた。
教界は政治問題を越えたキリストにある兄弟姉妹としての視点を持ち、聖書の言葉を通して実際に世界に介入する神の働きを信じることができる。日本のキリスト教界に日本の隣国北朝鮮で迫害を受けるクリスチャンに対する暖かい関心と祈りが求められる。