英キリスト教団体「涙基金(Tearfund)」はG8首脳陣に対し地球規模の気候変動に対して具体的な行動を取るように促している。
涙基金は2005年度のG8サミットにおいてG8首脳陣らが「気候変動の影響を受けやすい地域を支援する」ことで合意に達したことを歓迎したが、同時にそれから一年たってもサミットのときに期待されたような行動が十分に達成されていないことを非難した。
世界銀行は気候変動の影響を受ける貧しい社会に対して支援するための開発プログラムを行っているが、涙基金によると、それだけでは十分ではなく、世界的な緊急対策が必要であると警告している。
涙基金気候変動政策担当官のレイチェル・ローチ氏は、「G8は気候変動の影響を受ける貧困社会の支援対策を恐ろしいほど遅いペースで行っています。このままでは、アフリカの貧しい地方の農民たちは、今年も来年も干ばつに苦しみ続けることになるでしょう。机上の議論は飽きるほど聴いてきました。私たちは行動を見せて欲しいのです」と具体的行動を促した。
涙基金プログラム支援アドバイザーのタデッセ・ダディ氏によると、エチオピアでは「4年間に亘り降雨量が著しく不足したために、現在アフリカの1100万人の人々が干ばつの被害を被っています。私たちは干ばつの被害を受けている人々が以前と同じような暮らしができるように支援しています。現段階では気候変動が生じたとき、彼らはそれに対処できる十分な資金がない状況にあります」と現状を説明している。
涙基金はG8首脳陣らに、気候変動の影響を受ける国々の支援と、破壊的な気候変動を回避するための十分な温暖化ガス排出削減に対する具体的かつ効果測定可能な行動を求めている。
今年9月に行われる予定の一連のハイレベル首脳会議においては、ケニアで行われる気候変動に関する国連会議の下準備を行う予定である。
今年3月に英環境活動団体"Stop Climate Chaos"によって行われたカーボン・デーティング・イベントに引き続き、涙基金は地球に害のより少ない生き方をするために気候変動と戦う人々を奨励するオンライン5種競技ゲームをホームページ上で立ち上げた。
このゲームでは、どのように環境汚染物質を削減すればよいのか、また気候変動のスピードを緩めるためにどのようにして電力消費を削減するかについて実践的なヒントを提供している。
さらにこの5種競技ゲームでは、人々がオンライン画面上で「大規模気候変動防止誓約」に署名することを奨励している。このことで、英首相に英国民個々人が気候変動対策に取り組んでいることをアピールすることができ、英首相が温室効果ガスを削減する行動に出ることを促進させ、気候変動によって大きな影響を受ける発展途上国にさらに支援を提供することができるという。
涙基金ホームページはこちら。環境対策5種競技ゲームが楽しめる。→ http://www.tearfund.org/ (英語サイト)