米民主党議員バラック・オバマ氏は他の民主党議員らに対し、「米国民の中に根付いている信仰の力を認識」し損ねていると非難し、民主党は福音派やその他の教会へ通う米国人らの支持を受けなければならないと主張した。
イリノイ州民主党議員のオバマ氏は、「公の場で神を言及することが常に分断や決裂をもたらすということではありません。その背景が問題なのです。たとえば子どもが『神の下に』というような言葉を用いて忠誠の誓いを立てることで、抑圧されているとか洗脳されていると考えるのはどうかと思います。高校の共和党支持者が民主党支持者を脅迫するわけではないのと同様に、宗教の祈祷会グループが学校施設を使用することが、ノンクリスチャンにとっての脅迫や脅威となるわけではないのです」と述べた。
オバマ氏はイリノイ州の唯一の黒人民主党上院議員で、昨年国会に議席を持つ以前から全米の注目を浴びている。また時折自分の所属する民主党員らの批判をすることでもよく知られている。
宗教的言及は通常民主党員よりむしろ共和党員がよく用いるものであるが、民主党員としては珍しく、オバマ氏の演説には時折個人的な宗教に関する言及が入り混じる。
オバマ氏は自身の信仰について、「教会の十字架の下にひざまずくと、私は神の聖霊が私を招き入れているのを感じます。私は神のご意思に私の全てを委ね、神の真理を見出すために私自身を生けるいけにえとして捧げました」と証しした。
オバマ氏は数百万人のキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が同じような宗教的経緯を辿ってきたことを述べ、それゆえに民主党は宗教的会話の重要性を無視してはいけない、言い換えれば、もし民主党が福音キリスト教徒やその他の米国内の宗教的な人々に手を差し伸べ、私たちの立場を彼らに語らなければ、ジェリー・フォルウェル氏や、パット・ロバートソン氏のような宗教的過激派が支配権を握るようになってしまうと主張した。
また世俗主義者らが、宗教的な人々が公的な場でものを言うとき、彼らに宗教から離れるよう依頼するのは間違っていると指摘した。
結果として、「民主党は、米国民の中に生きる信仰の力を認識し損ねているという過ちを犯していると私は思います。もっと信仰と私たちの現代的、多元的な民主主義との和解という深刻な議論に熱心に取り組むべきだと思います」と述べた。
一方、宗教指導者らに対しては、「彼らもまた他の立場の人々と協働することを受け入れるべきであり、また教会と政府が分離されるべきである重要性を認識しなければならない」と言及した。