米国である著名な黒人指導者がキリスト教保守派に対し、戦争や投票権、差別是正措置や貧困問題といった大きな道徳問題から目をそらすために、同性愛結婚や妊娠中絶問題を熱心に取り上げているのではないかと批判、キリスト教保守派と対立する姿勢を表明した。
アル・シャープトン牧師、ジェシー・ジャクソン牧師およびジョセフ・ローリー牧師など数百名にのぼる米国黒人キリスト教指導者らは現在、秋の選挙のために黒人有権者を結集させることに焦点をあて、26日から3日間にわたる黒人聖職者会議を米ダラスで開催している。
シャープトン牧師は、「私の教会に結婚について相談してくる同性愛のカップルなど見たことがありません。そのかわり、投票権や獄中に息子がいるなどの問題を抱えてくる人々は山のようにいます」と述べた。
シャープトン師は7月から黒人有権者を前面に出し、民主党が社会正義問題に対してより強固な立場をとることができるよう促すことで、米国全体を揺り動かすという計画をもっているという。
またジャクソン師は数百席もの議席、多くの知事職を決定することになる米中間選挙を「アメリカの魂のための戦い」と呼んだ。
これに対して福音保守派の広報官は、シャープトン師がキリスト教保守派をステレオタイプ化していると批判。実際は多くの福音保守派が黒人信徒の問題を主たる問題として扱っているという。
米福音同盟牧師のリチャード・シジィク師は、「ステレオタイプ的な観念に基づいて、互いに決裂しないようにしましょう」と呼びかけた。