英国国教会による女性主教を任命するための議論は、先週の英国国教会指導者会議によって合意に達しなかったことから膠着状態に陥った。
英国国教会年配女性聖職者の1人、英レスター教区首席司祭のヴィヴィアンヌ・フォール牧師は、現状で提案されている計画下ではいつまでたっても自分が主教になることはできないだろうと感じている(The Telegraph)。
英ギルフォード教区主教クリストファー・ヒル牧師が議長を務めた会議の報告によると、会議では、伝統主義を主張する教会区の主教らに女性主教任命案へと好意を持たせる計画の概要を提案したという。
英国国教会では今年始めに行われた総会で、すでに女性主教任命の法制化の準備をすることを計画しているが、その法制化の準備が遅れている。総会では、女性主教任命に反対する保守派らの合意を得ることを国教会内で議論する時間が、女性主教任命のためには今後さらに必要であると結論付けた。
先週のマーケットボズワースにおける主教会議では、主教らが女性主教任命問題に対して合意に達しなかったことから、問題に対する何の進展も見られなかった。
会議に出席したある主教によると、会議出席者らは、この問題について英国国教会全体で合意に達することは不可能であると結論付けたと伝え、「私たちは、この問題に関して異なる見解をもつ主教らすべてに有効である実行可能な提案を行うことができませんでした。あらゆることが提案されましたが、結局、問題解決を進展させる方策を挙げることができませんでした」と弁明した。
次回総会では、英国国教会を決裂させるのを防ぐためにもさらに時間をかけて女性主教任命のためのメカニズムを議論することが要請される。今後、女性主教任命について更なる段階に踏みこむかについて投票を行い、伝統主義の立場をとる主教らとの和解の方策を立てる予定だという。
英国国教会内部のハイチャーチに属する伝統主義者らは、男性主教だけからなる「第三管区」を作るべきであると呼びかけている。
しかしこの第三管区案は、英国国教会内の多くの女性聖職者からの合意を得られそうにない。フォール牧師は、「私たちは英国国教会法に定められた形で、正式に女性主教の立場を確定させなければなりません」と述べた。
2012年に最初の女性主教任命を期待している女性主教任命活動家らにとって、今回の議論の結果は女性主教問題解決の膠着を示すものとなった。フォール牧師は、「ヒル主教らによる今回の提案では、私は主教としての活動を行うことはできないだろう」とその心のうちを語った。
女性主教任命活動団体「ウォッチ」の議長を務めるクリスティナ・リー氏は、「私たちは男女差別に反対する女性主教任命に関する法制定に関して、できるだけ早く事を進展させる必要があります。私たちはこの問題に関して良い解決策が必要です。そうでなければ、私たちはこのまま永遠にこの問題に対して何も事を決められないままの膠着状態に陥ってしまいます」と警告した。