【ワシントンD.C.(AP通信)】21日米大統領ジョージ・W・ブッシュ氏は、イラク新政権の発足で米国が3年以上占領してきた国家との関係において新たな時代の幕が開いた、イラク新政権発足を賞賛した。
ブッシュ氏はホワイトハウスで夫人のローラ氏と共に会見を行い、イラクで未だ生じている暴力行為についての言及はせず、政治的進展のみに焦点を当てて、
「イラク統一政府の形成はイラクに住み平和を願う数百万人の人々にとっての新たな第一歩です。イラクにおける統一政府の形成でイラクと米国の関係の新たな幕開けとなるでしょう」 と述べた。
ブッシュ氏はイラク国内における爆弾テロの多発や、銃撃や自爆テロにより少なくとも18人以上が死亡し、数十人が負傷したことなどには触れなかったという。
ブッシュ氏はジャラル・タルバーニ大統領と、ノウリ・アルマリキ首相、政府広報官マハムード・アルマシャダニ氏らに対し、彼らが協力して新政府のために活動していることを祝福し、
「私は米国がイラクが新政府樹立のために支援し続けることを保障します。なぜなら自由なイラク国家はイラク国内テロ対策のために重要であり、かつ中東のその他の地域に対して自由国家が重要であるという良い模範を示すことになるからです」と述べた。
米国務長官のコンドリーザ・ライス氏は未だ宗派間の紛争が絶えないために国内治安を管理する閣僚ポストの選出などは滞ってはいるものの、新政府を発足することでイラクは政治的に驚くべき進展を遂げたと述べた。
ライス氏はバグダッド駐在米国大使がイラク国会議員の90%は新政府発足を支持していると彼女に告げたことも補足して述べた。
米国は新政府がイラク国内から米軍が撤退する明確な方策を示してくれることを期待している。ライス国務長官はいつ米軍がイラクから撤退できるかを話すのは今はまだあまりに早すぎると述べたが、米国高官らはイラク政治指導者らとともに米軍撤退のための計画を着々と進めていく予定だという。
ライス氏は、「明らかにより多くのイラク人らが米国によって訓練されており、そのことによって彼らの中に国内安全保障に対するより強い責任感が生じるようになってきました。しかし未だに米国がイラクについて取り組まなければならないことがいくつか存在します。そのために今はまだ、米国はイラクが必要とする軍事力を確実に提供できるようにしなければなりません」と述べたという。
現在イラクには13万2千人近くの米国軍人が駐在しており、さらに米国から数百人もの兵士をバグダッド政府の安全保障のために派遣する予定であるという。