かつてアラブ諸国でキリスト教徒をターゲットにしたテレビ放送は不可能であるかのように思われていたが、そんな中、アラブ諸国で放映しているアラブ系キリスト教徒向けテレビ局"SAT−7"は31日に10周年記念生放送を行うことと、新たに二つの新チャンネルを開局することを発表した。
SAT−7の創設者でありかつCEOのテレンス・アスコット氏は、今後のアラブ系キリスト教テレビ番組の進展に対し、「将来が楽しみだ」と述べたという。
初めて中東諸国および北アフリカ地域向けの超教派キリスト教番組のアイデアが生じたとき、地元教会からはこのテレビ番組の立ち上げや、共同制作に関して多くの疑念が投げつけられた。というのも、今まで誰もそのような試みをしようとした人がいなかったから、そしてこの地域においてはこのような計画は非常に費用がかかり、かつ危険でもあったからである。
このような疑念にもかかわらず、SAT−7は1996年3月31日にテレビ番組を放送開始した。このテレビ番組のために20件の地元の教会や国際宣教団体が協力した。このテレビ番組は地元教会から賞賛を受け、政府からも承認され、その結果、毎週2時間のアラブ系キリスト教徒向けテレビ番組が放映できるようになった。
このテレビ局は中東諸国および北アフリカ地域で成長している教会を把握するため、またキリスト教徒としての信仰を確信するため、社会に奉仕し、公共文化への福祉へ寄与するために作られたものである。アラブ諸国で自由に放映できるためにも、このテレビ局は文化的な問題に常に敏感に接さなければならず、かつ超教派で非政治的番組を流さなければならない。聖書の真理は他の宗教信者の信仰を害さないような方法で宣伝されている。
レバノンベイルート国立福音教会牧師でSAT−7議長のHabib Badr博士は「SAT−7のビジョンの一部はアラブ系キリスト教徒らに彼らが社会奉仕するための媒体となるものを提供することで、番組の中で社会に良い影響を与えるプログラムをキリスト教徒社会貢献の媒介役となるために創出しているのです。残念ながら、私たちの番組を放送する地域の大部分において、私たちアラブ系キリスト教徒と私たちの役割について、歴史的にも現在の問題としても社会福祉を行う上で、甚だしい偏見が生じています」と述べた。
最近、SAT−7はアラブ系キリスト教徒の子供向けテレビ番組も放送し始めた。今後はペルシア語を使う地域の人々とトルコ語を使う地域の人々でテレビ局を分離して別々のテレビ局を立ち上げようという計画を立てているという。
アスコット氏は、「ワイヤレスブロードバンドインターネットや携帯向けG3ビデオなど新たなテクノロジーの出現に伴い、多くの人々と接触するためのたくさんの新たな道が開けています。このような神さまから賜ったチャンスをしっかりと掴み、私たちのテレビ局がこの10年無事に運営されるために祈り共に活動を支えていただいたすべての人、教会、宣教会およびその他の団体に感謝して、これからの10年もますます多くの方々の支援を継続して受けられるテレビ局になることを確信して頑張ります」と述べた。
SAT−7の詳細はこちら→ http://www.sat7.org./ (英語サイト)