ローマ教皇ベネディクト16世が16日、80歳の誕生日を迎えた。前日15日にはバチカンのサンピエトロ広場で誕生日を祝うミサが行なわれ、カトリック信徒約5万人が集まった。
16日の午前には、教皇の出身地であるドイツのバイエルン州やシュレースヴィヒホルンシュタイン州の知事らが教皇を訪れ、また東方正教会のコンスタンティノープル総主教バルトロメオ1世から派遣された代表者なども教皇の誕生日を祝うために訪れた。またベネディクト16世は昼食は枢機卿らと共にし、夕方にはバチカンで行なわれたモーツアルト・コンサートに参加するなど、比較的控えめな誕生日を過ごした。
各地からは教皇の80歳を祝うプレゼントも送られ、ドイツのミュヘン大主教区からは80本のバイエルン産ビールが、ローマの神学生からはケーキが、以前教皇が寄付をした小児科医院からは大きなテディベアのぬいぐるみが送られるなど、教皇の誕生日を祝うユニークなプレゼントが各方面から送られてきた。
ドイツの地元ラジオ局は、教皇の誕生日である16日に合わせてラテン語の放送を行い、賛辞を送った。また、教皇が生まれたバイエルンの家の前では約300人が集まり、教皇が誕生したちょうど午前4時15分に合わせて祈りがささげられた。
司教は通常75歳で定年となる。それよりも5年歳が多い80歳という高齢ながらも教皇は、時折咳き込むことを除けば健康な姿を見せており、就任後これまで一度も健康上の問題でスケジュールをキャンセルすることはなかった。
誕生日の16日は、教皇が就任前から執筆に取り組んだ「ナザレのイエス」もドイツ、イタリア、ポーランドの3ヶ国で発売。19日には教皇就任2周年目を迎える。来月9日から14日はブラジルへの訪問も予定している。