【ロンドン(AP通信)】国際キリスト教支援団体クリスチャンエイドは、地球温暖化によって数百万人もの人々が死に直面するだろうと報告した。
クリスチャンエイドが15日に発表した報告書によると、アフリカサハラ砂漠以南の1億6千2百万人もの人々が、今世紀末には地球温暖化が直接的な要因となって死に至る病に直面するという。
クリスチャンエイドは英国政府に対し、世界先進諸国を先導して地球温暖化という切迫した問題に対して緊急に対策するよう促した。
またクリスチャンエイドは、貧困地域が再生可能なエネルギー資源を用いることについて言及した。
もしアフリカサハラ以南の地域が、エネルギー資源を化石燃料からその他の資源、太陽、風力、水力発電に切り替えるだけでも環境は大きく改善され、現地の人々に多くの職が与えられるだけでなく、健康状態も改善、学習の場も増えるだろうと報告した。
またアフリカ諸国がこれらの再生可能エネルギーを使用することで、次の10年分の原油代金を支払うよりも費用が安く済み、なおかつ環境もきれいになることを主張した。
気候変動政府間パネルで科学的活動を行う団体に所属するジョン・ホートン氏は、「この報告書では明らかに、かつ力強く、人的要因による気候変動が世界最貧国の人々に破壊的な衝撃を与えることを断言しています。このことは、化石燃料による低コストのエネルギー資源から恵みを得ている私たち先進国が、緊急に自らの道徳観を改善しなければならないことを明らかにしています。我々はこのような切迫した状況に対応し、はっきりとした行動を起こさなければなりません」と述べた。
この報告書ではさらに、気候変動による資源の枯渇が引き起こす人間同士の紛争についても警告している。
ケニアでは、干ばつの直撃した地域で絶え間ない紛争が続いている。ケニア北部では使用可能な井戸が減少し、家畜に水を与えるための水利権獲得の争いで多くの死者が出ている。
報告書では、地球温暖化で生じる海面上昇によって、バングラデシュで数百万人もの人々が移住を余儀なくされると推測されている。一部地域ではすでに、2、3年おきに居住地を変更しなければならない世帯が、ヒマラヤ山脈の氷河の融解によって生じている。