第22回キリスト教遺産展示会(CRE)が9日、英ロンドン南西部イーシャーのサンドダウン公園展示センターで行われた。来場者数は昨年に比べ、およそ1万1千人増。数万人もの人々が一つ屋根の下に集い、キリスト共同体の遺産の尊さを共感した。
会場ではセミナーや展示会の他、ノーベル賞受賞者デヴィッド・トリンブル元北アイルランド首相が主催する第6回キリスト教書籍賞授賞式が行われた。
一般部門ではアンドリュー・ワイト氏の "Iraq,Searching for Hope"、伝記部門ではトニー・アンソニー、アンジェラ・リトル氏の"Taming the Tiger"、童話部門ではアレクサ・テュークスベリー氏、スティーヴ・レッグ氏による"It's a Boy"が受賞に輝いた。
"Taming the Tiger"はカンフー格闘家チャンピオンがキリスト教に改宗した人生を描いたもので、著者のトニー・アンソニー氏とアンジェラ・リトル氏は特にこの本をノンクリスチャンをターゲットにして執筆したという。
アレクサ・テュークスベリー氏、スティーブ・レッグ氏の"It's a Boy"は想像力にとんだクリスマス物語。この本は英国小学校図書館で広く普及している。
3人の受賞者には、それぞれ500ポンド(日本円で約10万円)の小切手と300ポンド(日本円で約6万円)相当の図書館寄贈用の本が与えられたという。
キリスト教書籍賞は、公共図書館や学校へキリスト教書籍を頒布する教会の活動を支援する目的で設立された英キリスト教書籍促進団体"Speaking Volumes"が後援している。
授賞式に引き続きディヴィッド・トリンブル氏、元英保守党閣僚のジョナサン・エイトケン氏らが座談会を開いた。
ジョナサン・エイトケン氏は自らの半生を振り返り、「保守党の政界にいたときの私は半分クリスチャン、半分世俗人でした。私は、神は私の人生の大部分において、私にささやいておられたことを悟りました。そして最終的に神様のささやきに耳を傾けないならば、神様の叫びに耐えなければならないことも知るに至りました」と語り、自らの半生の栄光と、人生の失敗の中で体験した神の働きかけについて語った。エイトケン氏は保守党在任時代に偽証罪で辞任・懲役刑に追い込まれ、刑務所で服役した経験をもつ。服役中に聖書の真意を発見し、キリスト教に改宗した。また英下院については、ただ単に権力があるだけでなく、驚くべき祈りの力に満ちた場所であることを付け加えた。
エイトケン氏について「本当にキリスト教徒に改心したのか?」と尋ねる人もいたが、彼は、「歴代の多くの信仰深いキリスト教改宗者には、本当に心から改宗したのかという多くの疑念が周囲から寄せられたものです。私は、ここで自分自身をよく見せようと、ここにいる皆さんに得点稼ぎをしようとは思っておりません。ただ唯一重要な聴衆は、ただ一方、そう、神様だけが私の真意をご存知なのです」と答えた。
キリスト教遺産展示会では340点もの展示品提供者による展示が行われ、慈善事業や宣教活動も行われた。また、数多くのセミナーやプレゼンテーションが行われ、教会や個人がより効率的に福音伝道を行うための大きな助けとなった。