米ジョージア州の州議会で、公立高校のカリキュラムに「聖書」を扱う授業を設ける法案が28日までに可決された。州レベルで聖書を公立校の教科とする法案は全米で初めて。
東京新聞によると法案は、旧約聖書と新約聖書を歴史や文学として教える授業を、選択科目として設けるよう州教育委員会に要請。「客観的に、信仰とは無関係に教える」としている。ただ、聖書そのものが教科書になるとみられ、公教育に聖書を持ち込む動きに反対する市民グループは「授業が宗教と無関係でいられるのか。聖書の内容を真実として教えかねない」と疑問を呈している。
米最高裁は、公立校での聖書の扱いを「客観的」であれば合憲と判断しており、米メディアによると、歴史や文学の授業ですでに約千校が聖書を用いている。
同法案を推進したウィリアムス州上院議員は「聖書は西洋文化の柱。学校で教えられるべきであり、訴訟を恐れては何も前進しない」と話している。
ジョージア州は福音派の急進派ファンでメンタリストの聖書原理主義・キリスト教原理主義が主流の土地柄だといわれており、州の85%のクリスチャン人口中、75%がプロテスタント。
2004年にもジョージア州で新教育カリキュラムが提案され、同州のK12(小学校から高校まで)教育カリキュラムで科学分野での「進化(evolution)」という言葉を「長期に渡る生物学的変化(biological changes over time)」に置き換えるようにしたという。また、地球が45億年前に誕生したとする従来の説を撤回し、聖書の教えに沿って「推定6000年から1万年」として教えることにし、「進化論」も1つの学説でしかなく、天地創造説も同じように教えるべきだとの議論も繰り広げられていたという。