米紙クリスチャンポストによると、キリスト教平和活動家らとその支援者らは23日、3人のキリスト教平和活動家人質が解放された事に対し、嬉しさの中に一人の人質を失った嘆きが入り交じる複雑な感情を抱いているという。
キリスト教平和活動チーム共同理事長のキャロル・ローズ氏は23日、シカゴで3人の人質が数ヶ月の時を経て解放されたことに感謝の意を述べた。ローズ氏は解放された3人の活動家らは良好な状態で、現在バグダッド自由地帯に滞在しているという。しかし、2週間前に発見されたトム・フォックス氏の遺体について関係者らは、深い悲しみに心を痛めている。
キリスト教平和活動家チーム(CPT)は発表した声明文で、「ハーミート・シング・スーデン、ジム・ロニーそしてノルマン・ケンバーの3名が安全にバグダッドで解放されたことを聞いて、私たちの心は今喜びに満ちています。キリスト教平和活動家チームは、彼らが早く愛する家族や共同体のもとに帰ってくるのを心待ちにしています」と喜びを語った。
4ヶ月の苦しみの期間を経て、英国人ノルマン・ケンバー氏、カナダ人ジェームス・ロニー氏、ハーミート・シング・スーデン氏が解放された。解放日の前日に実行犯らは抑留者から米英軍に関する機密情報を受け取り、人質に銃口を向けることなく解放し、姿を消したという。
昨年11月26日に「義の剣軍団」と名乗る武装集団によって捉えられた人質らに対する懸念は、3月初旬にトム・フォックス氏の死亡通知を受けてますます深まっていた。
23日の人質解放の成功の喜びも、フォックス氏の死を考えると複雑な感情が入り交じる。
CPTは声明文で「私たちの喜びはトムの死によって、複雑なものになっています。しかしながら私たちは、トムのクリスチャン精神は私たちの共同体の深い部分で今も確かに健在であると確信しています」と語った。
米国の主要超教派、宗派組織もまた今回の解放の知らせを聞いて喜びと嘆きの入り交じった複雑な思いを表明したという。
米国教会協議会(NCC)会長のボブ・エドガー牧師は、「私たちの喜びは際限のないもので、私たちは神のご慈愛に深い畏敬と謙遜の心をもって感謝します。このような祝いの最中においても、私たちはトム・フォックス氏の死について嘆き悲しみ続けます。トムは他の3人の解放された人質となんら変わりはありませんでした。一人の献身したクリスチャンであり、平和のために全力を尽くした人でした」と述べた。
現段階において、イラクにおける反乱者や暴徒により250人以上の外国人と何千人ものイラク人が人質として捉えられている。その目的のほとんどが身代金であるという。