先週金曜日、ローマ法王ベネディクト16世は、20世紀における科学の急速な発展によって多くのキリスト教徒が信仰と科学をどのように調和させるべきか困惑するようになったことに言及した。
ローマ法王はヴァチカン教理省に対し、どのように科学と宗教が対立せずに並存できるかを説明した。法王は、キリスト教徒が信仰と科学双方を理解することによってどれだけ地球生態系の神秘をよく説明できるかということに畏敬の心をもって挑戦すべきだと語ったという。
法王の言及は、米国内の知的創造論と進化論の対立が増大してきたことを受けたものだという。昨年12月には米ペンシルバニア州の裁判所で、知的創造論を科学の授業内で教えてはならないという判決が下された。
法王は、「教会は人間の知恵によって征服されることで得られた産物を喜んで受け入れ、また福音の伝播は現代知識によって明らかにされる挑戦、展望を包容するものでなければならないと認識しております。神に対する信仰の論理は、宗教と科学の対話という助けがあることによってより正確なものとして示されるのです。科学的発見の急速な到来は、ときに神が明らかにされた人間や世界に対する真理とどのように調和するのか、認識するのに大変な困難さを感じることがありますが、教会は全地の全てを創造されて歴史を保っておられる主に対する信仰と、現代の科学的発見とをよく調和させるよう努力する必要があります」と述べた。
米国における知的創造論は時折、敵対的な科学者と、科学は全地の超越なる「デザイナー」が創造された地球生態系の複雑性の一部を説明しているに過ぎないと主張するキリスト教信者との間で議論を呼んでいる。
知的創造論支持者は、知的創造論を科学の授業中にダーウィンの進化論と併用して教えるべきだと主張しているが、反対者は知的創造論には科学的根拠がないと主張している。