キリスト教プロテスタント教会を代表する信徒数8000万以上の二大プロテスタント教会組織が「世界改革派コミュニオン(World Reformed Communion)」という新たな地球規模のプロテスタント教会組織の結成を呼びかけた。
1月末に2日間にわたって改革派教会世界同盟(WARC)と改革派エキュメニカル協議会(REC)の代表者たちが米国ミシガン州に集い、全会一致で新たな組織の結成を提案した。二大プロテスタント教会組織の指導者達はこのことを「一致への大きな一歩」であると厳かに宣言した。
WARC会長のクリフトン・カークパトリック氏とREC会長のドウィ・ヴィザー氏は双方の支援団体に対して共同声明を発表し、「私たちはプロテスタント共同体の一致と存在力を高めるためにWARCとRECが一つの共同体になって共に働くことができるように私たちを導いてくださった聖霊の働きに大いに喜んでいます。私たちは、この新たに一致した改革派共同体がより広範囲にわたるエキュメニカル(教会一致)運動を可能にし、世界の教会の和解のために大いに貢献するものと信じています」と新組織結成に至っての祝辞を述べた。
WARC事務総長セトリ・ニョミ氏は、この新組織の提案は二大共同体にとって歴史的なものであり、「私たちはこの歴史的な進展を感謝し神を賛美します。散り散りに分散された世界における、このような改革派共同体の結成は、私たちが宗派の違いを乗り越える準備ができたということの宣言につながります。この新組織結成において私たちが一致したという事実を通して、私たちの共同体への信頼を世界に訴え続けます。またこのことが、エキュメニカル運動を全体として再構成するためのより強い連帯性を図ることに重要な貢献をしたことは疑いありません」と述べた。
REC事務総長リチャード・バン・ホウテン氏は、「私は私たちRECの宝となるような強い存在性を示すことのできる新たな組織を結成する道が開かれたという大きな祝福に感謝します。この新たな世界改革派コミュニオンは今まで私たち2つの組織がばらばらに活動していたのに比べてより世界に対する強い存在性と表現力を有するようになりました。これは、私たちが互いにより強い愛で支えあうようにという私の以前からの願いでした」と述べた。
この新組織結成の提案が実行されるためには、WARCとRECそれぞれの運営管理機関によって承認されなければならない。
この二大プロテスタント共同体による会議は1998年に始まった。WARCは107カ国において7500万人の会員を218か所の教会に有しており、RECは25カ国40教会において1200万人の会員を有している。またこの2つの共同体は27の教会を共有している。
2大共同体の会議は2月1日に終結し、「世界改革派コミュニオン」の結成を提唱した。これはWARCとRECの双方を継承する新たな地球規模のプロテスタント共同体のための提案である。
共同声明によると、双方に加盟している教会員は皆新たに結成される世界改革派コミュニオンのメンバーとなる予定である。
さらにこの声明はその他のプロテスタント共同体(長老派、会衆派、ワルドー派など)に対しても新組織に加入するよう呼びかけている。またその他のプロテスタント機関、神学教育機関にも世界改革派コミュニオンと積極的な提携関係を持つように呼びかけている。
新世界組織に関して指導者達は、以下6つの事項を強く呼びかけている。
▲プロテスタントとしてのアイデンティティの強化、▲世界経済における正義の価値観の普及と世界の和解に向けた活動の促進、▲地球規模における神の家族としての霊的な生活とプロテスタント教会の礼拝革新の奨励、▲共同体における指導者の養成、支援、▲教会生活の全ての面における女性と若者の参加促進、▲霊的な一致、連帯性における存在力、社会奉仕の両面に対するプロテスタント教徒の情熱を高める。