キリスト教団体は日曜日の教会標的爆破テロの後、宗教的少数派であるキリスト教徒はますます疎外化され、現在イラクのキリスト教徒は非常な危険にさらされているという。
世界福音同盟(WEA)宗教解放委員会は、既にキリスト教徒の人口が減りだしているにもかかわらず脅威レベルがますます高まっているイラクキリスト教徒のための切なる祈りを求めている。火曜日に発刊された宗教解放の祈りのための週間新聞では、宗教解放委員会は宗派間の緊張が高まる中、イラクのクリスチャンを「絶滅寸前」であると表現し、紙上で「共同体はイラクとしての共通の国民性よりもむしろ宗教的所属によって同一性を認識し始めている。キリスト教少数派は自分たちがイラクのイスラム社会の中でますます軽蔑、無視、攻撃されやすくなってきていると感じている」と述べた。
日曜日の爆発はイラクの5教会の近辺で発生し、キルクークの標的となった教会近くで礼拝に行く途中だった13歳のキリスト教徒の少年と教会近くに住んでいたイスラム教徒のカップルが殺害された。バグダッドで4台の自動車が同時に爆破した事件で標的にされた教会ではその夜の礼拝が中止されたという。
東アッシリア教会のある司祭によると、この攻撃は明らかに綿密に計画されたものであるという。多くの人がこの攻撃は何ヶ月も前からイスラム教徒の中で蓄積されていた怒りによる直接的なキリスト教少数派に対する攻撃であると見ている。
昨年9月、保守派デンマーク紙「ユランズ・ポステン」に印刷されたイスラム教預言者モハメットに関する12枚の風刺漫画が大きな議論を醸した。この風刺漫画はモハメットが時限爆弾の形をしたターバンを着用しており、このことがイスラム教に対する侮辱であるとしてイスラム教徒がデンマーク政府に非難を浴びせ、デンマーク製品の不買運動が起きた。中東諸国の宗教、政治指導者たちは公にこの風刺漫画を糾弾している。
この風刺漫画は今年1月10日にノルウェークリスチャン刊行マガジンで再び印刷され過去のイスラム教徒の怒りを再び燃え上がらせることになった。イスラム教徒の反発にもかかわらず漫画が再び現れるようになったのは、イスラム教徒による反発が表現の自由への攻撃であるという出版社の明確な意思の現れであると見られる(AFP)。
さらに日曜日の爆破事件の後発表された声明文によると、イラクのイスラム聖職者協議会は、今回の攻撃はモハメット預言者が風刺漫画で侮辱されたことの仕返しとして行われたものではないと断言している(WEA)。
一方でキリスト教団体オープンドアは、イラク国外へのキリスト教徒の大量の脱出に対して、これらの攻撃によりイラクキリスト教徒はイラク国外へ共に逸脱するのに新たな努力が必要になると懸念を表明している。WEAはイラクにおいてキリスト教社会は極端に攻撃されやすくなっており、彼らはイスラムの法の前に平等に扱われることなく、無法と化したイスラム社会の中で不安に満ちた日々を過ごしていると警告した。
WEA委員会はクリスチャンにイラクキリスト教徒の保護、霊的な一体性、知恵と信仰と聖霊のための祈りがイラクに届くように切ない祈りを捧げるよう呼びかけた。