スーダンダルフール州南部地域で、武装軍団による度重なる襲撃により、およそ5万5千人が所持品を置き去りにして緊急避難した。
襲撃によりキリスト教支援提携団体であるスーダン開発協会(SUDO)とスーダン教会協議会(SCC)がダルフール南部の難民キャンプに開設していた学校と健康管理センター運営を中止せざるを得なくなった。最近この2つの組織団体は毛布や布団、ジェリー缶などを提供し、病気の蔓延を防ぐために上下水道、公衆衛生施設に難民がアクセスできるようにシステムを整えていた。
2006年1月23日からダルフール州南部地域において連続的な襲撃が発生し、南部地域の4〜5箇所の難民キャンプが襲撃され、難民キャンプに住む住民を恐怖に陥れた。
キリスト教支援団体クリスチャンエイドによると、アフリカ連合(AU)はこの襲撃の後南部地域を巡回に訪れ、1月25日に警備のための軍隊を派遣する約束をしたにもかかわらず、実際にはAU軍隊は到着しなかった。そのために難民が他地域へと避難せざるを得なくなったのだという。
一方で、避難者たちは日中の炎天下と夜間の肌寒い気候の中、ダルフール州襲撃が発生した難民キャンプからマナワシまで懸命に避難しているという。ダルフール州緊急支援機関「アクト-カリタス」によると、避難中に家族が別れ別れになり、38人の妊娠中の女性が流産で苦しみ、13人の子供が死亡したという。
クリスチャンエイドはアクト-カリタスを通してこの地域で救援活動に従事している団体を支援している。
2週間前には六人の警官による奇襲攻撃、さらに連続した襲撃事件が最近発生するなど、ダルフール南部地域における状況は地域住民と警官との関係が緊迫してくるにつれ悪化してきた。スーダン当局は現存の警察軍隊を撤退させ、警官とアフリカ連合の共同部隊による合同パトロールを一週間以内に行うことを提案したが、地元住民はこのような短時間で行うという案はあまりに楽観的であてにならないと見ている。
他にも、クリスチャンエイドは戦争から避難するダルフール州の民間人に対する守備力の弱さ、また国連あるいはアフリカ連合のどちらが平和維持活動をコントロールするかという現在進行中の議論に対して批判している。
BBCによると、100人近くの支援労働者がダルフール州南部の反乱が悪化するにつれ強制的に避難しなければならなくなったという。
状況が悪化するにつれ、連続して発生する襲撃から所持品を置き去りにして避難する200万人以上の難民を援助機関が支援することはますます困難になってきているという。
クリスチャンエイドアフリカ政策チームのステフニー・ブライデン氏によると、現在行われている国連とアフリカ連合のどちらが平和維持活動をコントロールするかという議論や停戦のための書類を作成する作業などはあまり意味がないという。それよりもどのようにダルフール州の民間人の安全を確保するかを議論するべきであり、ダルフールにおける救援活動に関しては、民間人への適切な救援保護ができるよう、より政策面、財政面を強固にし、多くの軍隊を召集する必要があるという。